コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は金子こねるさんの『象の恥、鶴はおどる』をピックアップ。

本作はくらげバンチ(新潮社)に掲載されている読み切りで、肌荒れに悩む内気な男子高校生と学校の人気者である美人クラスメイトが織りなす恋愛模様を描き「キュンとする!」「心が浄化される」と話題に。11月28日に作者がX(旧Twitter)に投稿したところ、7.7万以上の「いいね」が寄せられSNS上でも反響を呼んでいる。この記事では作者・金子こねるさんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについてを語ってもらった。

■ある日、図書室で突然声をかけられて…胸キュンな“ボーイミーツガール”に反響

図書委員で肌荒れに悩む内気な男子高校生・花田かおるがある日、図書室で受付をしていると同じクラスの一軍美女・田鶴が本の貸し出しにやってくる。乾燥しひび割れている花田の指を見て、田鶴は突然その手に触れると持っていた花柄のばんそうこうを傷口に貼る。クラスメイトながらこれまで存在を意識していなかった彼女を間近で見て、花田はその繊細な美しさに圧倒され、緊張して何も話せずにいた。

それから田鶴のことを無意識に目で追いかけるようになった花田は、彼女が校内のいろんな人と分け隔てなく話していることに気が付く。読書が好きなことも知り、図書室で会うとたびたび話しては仲良くなっていく二人。都会的な容姿から受ける印象とは異なり、よく笑い、よく食べてよく眠る奔放な田鶴の姿に花田はだんだんと惹かれていくのだった。

そんな中、ある日の図書室で花田は田鶴から「明日一緒に帰らん?」と誘われる。好意が嬉しくもつい勘違いしそうになるのが苦しく、葛藤する花田。次の日の帰り、委員会を終えて教室に戻った花田は田鶴とクラスメイトによる会話を偶然耳にしてしまう。そして花田のことを「好き」としつつも恋愛感情とは受け取れない田鶴の言葉に、「やっぱりこの見た目は好きになってもらえないんだ」とショックを受ける花田だったが…。

肌荒れに悩み自分に自信を持てない花田と、素直な性格でみんなの人気者である美人なクラスメイト・田鶴。心の中で密かに惹かれ合う二人の爽やかな青春物語に大きな反響が集まり、X(旧Twitter)上では「キュンキュンする!最高!」「二人の素直さが愛おしすぎる」「心が浄化される…」「幸せな気持ちになった」「それぞれの違いや感情の見せ方が秀逸」「この二人をずっと見ていたい」「こんな青春送りたかった!」など読者から多くの声が寄せられ話題となっている。

■容姿と内面、“好きになるきっかけ”を巧みに描き分け 作者・金子こねるさんが語る創作背景とこだわり

――『象の恥、鶴はおどる』を創作したきっかけや理由があれば教えてください。

見た目から人を好きになること(一目惚れ)もあるし、逆に中身から見た目を好きになることもあるよね〜という発想からスタートしました。

――肌荒れに悩む内気な男子高生・花田かおると美しい容姿をもつ人気者のクラスメイト・田鶴、それぞれのキャラクターや二人の関係性はどのようにして生み出されたのでしょうか?

読切ということでストーリーの大筋は既に固まっていたので、短い中でも好感度高く映える人物像を探していってこの2人になりました。

――本作をX(旧Twitter)に投稿後、7.7万を超える「いいね」が寄せられ大きな話題となって
います。今回の反響について、金子こねるさんの率直なご感想をお聞かせ下さい。

上手な絵でもキャッチーな題材でもないと思っていたので、想像を遙かに超える人に見 ていただけて純粋に驚きました。今時っぽいなぁと思ったのが「んぁああぁ(嗚咽)」とか「あらやだも〜〜!!」とかパッションのこもった感想は見かけるたび笑顔になっていました。

――表情がコロコロと変わる感情表現豊かな田鶴と感情があまり顔に出ない花田、2人のコ
ントラストも繊細に描かれていて印象的でした。本作の作画においてこだわった点や「ここを見てほしい」というポイントがありましたら教えて下さい。

よく見てくださってありがとうございます。田鶴は誰が見ても美少女!という顔にしようと現実のいろんな美女をサンプリングしました。逆に花田は万人受けはしないけど癖があって好きな人は好きだよね、みたいなビジュアルを目指しています。(実際に「花田くんの顔もタイプすぎる」みたいなコメントもあったので嬉しかったです)

――金子さんが本作の中で特に思い入れのあるシーンやセリフはありますか?

花田の謝罪シーンは時間をかけて描いた記憶があります。「変わりたい」と思っても実行できる人間は案外少ないと思っているので、ひねくれから一歩踏み出す花田が魅力的に見えるよう、特に力を入れて描きました。

――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。

拙い作品ですが読んでくださって本当にありがとうございました。また2人を描けるように頑張っているところなので、思い出したらTwitterとかチラ見しにきてやってください。