竹内涼真と菅田将暉が、2月7日に都内で開催された「劇場版 君と世界が終わる日に FINAL」公開記念舞台あいさつに登場。メガホンをとった菅原伸太郎監督と共に“ネタバレあり”で撮影エピソードを語った。(以下、内容に関するネタバレを含みます)

■「君と世界が終わる日に」とは

2021年1月クールに日本テレビとHulu共同製作ドラマとしてSeason1が放送された同作は、ゴーレムウイルスというかまれたら化け物になってしまう謎の感染症によって、突然日常を奪われた人たちの過酷なサバイバルと人間ドラマを描いた物語。Season2からSeason4まではHuluで独占配信され、1月26日に劇場版が公開を迎えた。

竹内が菅田と共に舞台あいさつに登壇するのは、菅田が主演を務めた映画「帝一の國」(2017年)のイベント以来7年ぶりということで「感慨深いですね」と明かす。

劇場公開から間もなく2週間が経過する本作だが、竹内はいつも以上に周囲の反響が大きいそうで「家族だったり知り合いからいつもより見た感想を頂けるんです。『とにかくすごく感動した』と言ってもらえて、僕は4年間で一つ感動する作品を作り上げることが出来たんだという自信と喜びが心の中ですごくあり、その感情が一番ホットかもしれないですね」と率直な心境を吐露した。

一方、今回は主題歌だけでなく大事な場面でサプライズ出演していることも話題になっている菅田は、「これだけ続いているということが一番の迫力だし、響(竹内)の熱量ですよね。どんだけCGを使っても、どんだけ特殊効果を使っても、どんだけ音楽をデカくしても、結局は現場で緊張感をどんだけ保てるかの戦いになってくる。日常に戻された瞬間に響の娘への愛情とか切れてしまうので、それを4年間涼真が絶やしていないところがすごいところだと思いました」と、シリーズに携わって感じた作品の印象を語る。

それを受け、竹内は「Seasonを1つ終えて間が空くのがちょっと嫌でしたね。(1年弱くらい空くと)不安になっちゃうというか、『大丈夫かな?また戻れるのかな?』っていう不安が4年間ずっと続きました」と、本人にしか分からない感覚を伝えた。

また、試行錯誤の末に出来上がったという菅田の主題歌は、竹内がクランクアップする前の段階で完成していたものの、「(気持ち的に)終わっちゃいそうな気がして。(撮影が)終わってからしっかり聞こうと思った」そうで、竹内はクランクアップするまでフルでは聞かなかったという。

そしてあらためて楽曲を聞いた感想について、竹内は「何とも言えない感じで、『お疲れさま』ではないし、最後の演技で自分が残したものをもう1回考えさせられるような。すごく新しい感情になったんです。映画にマッチしているとかそういうことより、あの歌を最後に聞いた瞬間、僕の中で映画の撮影が完結したというか。そんな感情でしたね」と、文字通り竹内の“きみセカ”を締めくくる楽曲になったとしみじみ振り返った。

■菅田、主題歌担当&出演に「怖さもあった」

これまで作品を最前線で引っ張ってきた竹内の反応に、菅田は「うれしいですね。涼真のため、響のためだけに作ったわけではもちろんないですけど、そこは一番大きいので。うれしいし、良かったなと。映画の主題歌をやったことはありますけど、実写で自分も出ていてということってそうそうあることではないし、しかも自分で作ってというのはたぶんやってないから、その怖さも僕はあったので、良かったです」と、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

さらに、SNSで事前募集した質問に答えるコーナーでは、竹内演じる響が終盤で“ゴーレム化”したシーンは自分で演じたのか、(演じた場合)何時間特殊メイクに時間がかかったのか?という質問が。これに、竹内は「僕です。僕です。僕です」と繰り返し、特殊メイクにかかった時間は「休憩も入れつつ10時間ぐらい」と回答すると、会場から驚きの声が。

続けて竹内は「途中、現場にSeason1から出ている横溝菜帆ちゃんがおいしいバナナを差し入れしてくれて。それを食べたら時間が延びちゃって(笑)。これまでいろんなゴーレムがいて、ゴーレムになった人もいるし、自分がなったらどうしようと思っていて。でも、(ゴーレム状態を)作り上げる時間とメイクでずっと自分のことを見ているじゃないですか、すると段々そういう動きになってくる。僕は何も考えずに現場に入って、気付いたらああいう体のモーションになっていたんですよね」と振り返った。

ちなみに菅田も特殊メイクの状態で出演しているが、菅田は「僕はそこまでじゃないです。4時間ぐらい。だから、いかに(竹内のメイクに時間が)かかっているかですよね」と驚いていた。

「劇場版 君と世界が終わる日に FINAL」は、全国公開中。

◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT LLC)