門脇麦が主演を務める「厨房のありす」(毎週日曜夜10:30-11:30、日本テレビ系/Huluにて配信)の第4話が2月11日に放送。第4話では、倖生(永瀬廉)のイメチェンをありす(門脇)が手伝うという仲むつまじい様子が描かれた。 (以下、ネタバレを含みます)

■「厨房のありす」とは?

同作はマイペースで人とのコミュニケーションが苦手な自閉スペクトラム症(ASD)の店主・八重森ありすが、街の小さなごはん屋さん「ありすのお勝手」で、大好きな化学の知識を基に、おいしくて優しい料理を生み出すヒューマンドラマとなっている。

■恋する資格がないと言い張るありす…「厨房のありす」第4話を振り返る

ありすの店に、蒔子(木村多江)が突然やって来る。緊張するありすだが、心護(大森南朋)は蒔子をすぐに追い返そうとする。ありすは倖生に、かつて見た心護と蒔子の様子をこっそり打ち明け、「お母さんは、お金を払って私を捨てたんだと思います」と言う。

翌日、ありすの店に和紗(前田敦子)が復帰し、無愛想な倖生のイメチェンを提案。賛同したありすのアイデアで倖生は前髪を上げることになり、常連客から大好評。そんな中、最近店に来るようになった明里(金澤美穂)は、どんよりした顔で「消えてしまいたい…」ともらす。

好意を寄せている会社の先輩・圭介(渡辺大知)を他の子に横取りされそうな状況らしい。助言を求められたありすは、「私には恋愛する資格はありません」と、ASDで実の親にも愛されなかった自分には、愛される資格も愛する資格もないと言い張る。

そんなありすを見て、倖生はありすを五條製薬に連れて行くことにする。一方、2人の外出をデートだと勘違いした和紗と三ツ沢家の面々は、大騒ぎ。心護を巻き込み、事態は思わぬ方向へ向かう。

■倖生が気が付いたありすのささいな違和感

ある夜、蒔子がありすの店にやって来る。動揺を隠しきれないありすと、複雑な事情を抱えていそうな蒔子。2人の間に気まずい空気が流れる中、倖生はどうすることもできずただ見守るばかりだった。

そこに心護が現れ、「何してんだよ」と言い、蒔子を追い返そうとする。優しいイメージのある心護からは想像ができないほどの強い口調。ありすが大きな音が苦手だと、誰よりも知っている心護は何度も大きな声でありすを呼び、部屋へ入るように促していた。

しかし、ありすは動けなかった。突然現れた蒔子や大きな声を出す心護。全ての情報が処理できずに、ただ立ち尽くすことしかできなかったのだろう。

そんなありすの様子に気が付いた倖生は、ありすに近づき、「(部屋へ)行こう」と連れて行こうとする。それでもありすは部屋に行くこともせず、動かなかった。倖生や心護の話を素直に聞かないありすに、倖生は違和感を覚えていた。

■倖生の優しい「ん?」にもん絶

倖生は、ありすが抱えていた悲しい過去に触れることに。母親に捨てられた理由を憶測で話したり、父親である心護が自分のために母親の存在を隠しているともらすありすに、倖生は「それって想像じゃない?」と告げる。

落ち込んでいたありすは、倖生の言葉に驚いた様子だった。一方、倖生は知ったふうにありすの家族のことを話してしまったことを謝罪し、自分の部屋に戻ろうと立ち上がる。しかし、倖生はありすに「もう少しだけ近くにいてくれませんか?」と引き留められる。ありすが呼び止めた際、倖生の「ん?」という声があまりに優しくもん絶した人もいただろう。

そんな倖生を、ありすは頼りにしていたように思う。距離感を保ちながらも寄り添うありすと倖生の姿から、日々、ありすのために倖生が努力を続けていることも分かった。

人と人との距離が近いことを苦手としていたありすは、倖生がそばにいることを許したのだ。2人の間に流れる優しい時間がいつまでも続いてほしいと願わずにはいられないシーンとなった。

■倖生のイメージチェンジにありすが貢献

その翌日、ありすと倖生はいつも通りに、店に出ていた。そんな中、倖生に接客をたたき込むと宣言する和紗は、倖生の無愛想な態度に直すようにと指摘する。加えて、長く伸びた前髪をどうにかするように言い放つ。

ありすも和紗の意見に賛成し、倖生に前髪を上げてもいいかと告げる。お気に入りと思わしき数あるクリップの赤色を手に、笑顔で倖生に近づくありす。そんなありすに倖生は激しく動揺するのだった。わちゃわちゃするありすと倖生の仲よしすぎる姿に自然と笑みがこぼれる。

また、倖生は前髪を上げたことを常連らに褒められていた。倖生のイメチェンに貢献したありすはどこか誇らしげに目を細める。X(旧Twitter)では、そんな2人に対し、「前髪を上げさせたありす天才」「かわいい」「尊すぎて涙出る」「ずっと仲よしでいてね」と言う声があふれた。

◆文=ザテレビジョンドラマ部