玉城ティナと飯豊まりえがW主演を務める、極限のゾンビサバイバル「君と世界が終わる日に」シーズン5(Huluで独占配信中、毎週金曜エピソード更新)。2月9日に配信された第1話では、ユートピアにたどり着いた明日葉たちが仲間たちと引き裂かれる様子が描かれた。本記事では、見どころを踏まえながら第1話を振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

■「君と世界が終わる日に」シーズン5とは

ゴーレムウイルスという噛まれたら化け物になってしまう“謎の感染症”によって、突然日常を奪われた人々の過酷なサバイバルと濃厚な人間ドラマが描かれる「君と世界が終わる日に」(※通称「きみセカ」)。シリーズ最終章となるシーズン5では、2024年1月公開の「劇場版 君と世界が終わる日に FINAL」で描かれなかった人類最後の希望の都市“ユートピア”のもう一つの塔を舞台に、明日葉や佳奈恵たちが最終決戦に挑んでいく。

本シーズンでは、財団会長の娘・明日葉役の玉城ティナと、元女子大生である佳奈恵役の飯豊まりえがW主演を務める。また続投キャストとして、元詐欺師の海斗役の前田公輝、元OL・ゆら役の佐野ひなこ、明日葉の元婚約者・冬馬役の柿澤勇人、明日葉の側近・加州役の溝端淳平らも登場。

そして新キャストとして、ユートピアの現代表で冬馬の父・漆原徳秋役の尾美としのり、塔の監視・富岡美津夫役の袴田吉彦らを迎え、過去シーズンに登場した秋吉蓮役の本郷奏多、坪井役の小久保寿人、三原結月役の横溝菜帆も、本シーズンで復活出演を果たしている。

■ユートピアで二分化された“タワー”と“アンダー”の世界

シーズン4のラストで明日葉(玉城ティナ)たちがたどり着いたユートピアでは、明日葉の元婚約者・冬馬(柿澤勇人)が待っていた。そしてユートピアに入るにあたって、明日葉以外は身体検査を受けることになり、佳奈恵(飯豊まりえ)と加州(溝端淳平)は明日葉とは別の場所へ連れて行かれる。

明日葉が案内された“タワー”では、亡き新山財閥会長(明日葉の父)に代わり、冬馬の父・漆原(尾美としのり)が代表を務めていた。そこでは法の整備や秩序を作ろうと政治家たちが集められ、かつての文明に近い水準の生活を送っていたのだった。

“タワー”には警備兵に抜擢された海斗(前田公輝)や、教員免許を持ち子どもの教育係になったゆら(佐野ひなこ)の姿もあったが、加州の姿が見当たらず不安を覚える明日葉。

実は佳奈恵と加州が連れて行かれたのは、“アンダー”と呼ばれる地下世界。そこは医師や教師などの資格や特別な能力を持たず、“タワー”に行けなかった人間が集められる場所で、“タワー”の人間に命じられた品物を外の世界に取りに行く“調達”などの仕事をし、少ない食糧で何とか生活していた。

能力や身分で分類される世界に疑問を抱く佳奈恵たち。加州は“明日葉が安全ならそれで良い”と言うのだが、佳奈恵は“本当に明日葉に会えなくても良いのか”と問い詰める。すると加州は苦しそうな表情で「会いたい…」と本音を漏らすのだった――。

■ユートピアに隠された事実を知り、動き出す明日葉と加州

一方、何も知らない明日葉の元には「今夜8時、4901号室にて待つ」という手紙が届けられる。約束の時間に明日葉が向かうと、そこにはGITソリューションの社長・柳が待っており、明日葉は柳から“アンダー”の存在を聞かされる。

そしてこの二分化された世界は、明日葉の父ではなく漆原親子によって作り出されたもので、漆原は明日葉と冬馬を結婚させることで、住民たちを自分の支配下に置こうと画策する“独裁者”であることも知る。

自室への帰り道で冬馬と鉢合わせた明日葉は、“ユートピアの存在意義は自由と平等なはずだ”と問い詰めると、冬馬は明日葉の言葉を「きれい事だ」と一掃し、「あんな連中のことは忘れろ!」と明日葉を部屋に監禁してしまう。

海斗から“明日葉が監禁された”と聞かされた加州は、アンダーの監視役・富岡(袴田吉彦)に“タワー”への行き方を聞く。すると、地下通路から出た中庭が“タワー”へ繋がっているという情報を得る。そこで加州が地下通路を出ると、そこにはゴーレムたちが蔓延していた――。

その後、傷だらけの加州が“アンダー”に戻ってきたことで、“加州がゴーレムに噛まれた”と思った周りは大パニックに。だが実際加州は“感染したフリ”をしており、どさくさに紛れて加州は“アンダー”から抜け出したのだった。その頃、海斗の協力によって部屋から出た明日葉は、加州の元へと急ぐ。しかし加州は途中で冬馬に見つかってしまい、銃口を突き付けられるのだった。

■まだ等々力を忘れられない佳奈恵の“恋の行方”に注目

ファン待望の「きみセカ」シーズン5では、明日葉が所属する漆原、冬馬率いる“タワー”チームと、佳奈恵と加州が連れてこられた“アンダー”チームに分かれて物語が展開していった。明日葉は、漆原親子によって壊されてしまった“ユートピア”を、かつて自分の父親が作り上げた頃のような理想郷に変えることができるのか気になるところだ。

また、これまでのシーズンを通して人気の高いキャラ・佳奈恵が、今回主演として活躍が描かれている点も、本作の見どころの一つ。ネット上では「佳奈恵の主人公感半端ない!」「佳奈恵に“アンダー”の人たちを救ってほしい」「響が主人公のエピソードもいいけど、女性キャラが主人公のシーズンも新鮮味があって好き」など、彼女の活躍に期待する声が多く寄せられている。

そんな佳奈恵と言えば、死別した想い人・等々力(笠松将)の存在も大きい。第1話では、“アンダー”で元美大生の女性と出会った佳奈恵が、スケッチブックに等々力の似顔絵を描いてもらい、大切そうに切り取る姿も描かれていた。しかし海斗が佳奈恵に想いを寄せているような描写もあったため、本作では佳奈恵の恋の行方にも注目していきたい。

◆文=ザテレビジョンドラマ部