TVアニメ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(毎週水曜深夜0:00-0:30ほか、テレ東ほか/ABEMAほかで配信)の第6話が2月14日に放送された。バレンタイン夜の放送回でついに両思いとなった安達と黒沢に、SNSでは視聴者から祝福の声が寄せられている。(以下、ネタバレを含みます)

■「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」とは

童貞のまま30歳を迎えたことで“触れた人の心が読める魔法”を使えるようになった主人公・安達清と、イケメンで仕事ができる同期・黒沢優一が繰り広げるラブコメディ。原作は「ガンガンpixiv」(スクウェア・エニックス)で連載されている豊田悠による同名漫画で、通称“チェリまほ”として知られている。2020年に赤楚衛二と町田啓太で実写ドラマ化、翌々年には劇場版も公開されたことで人気に火がつき、シリーズ累計発行部数280万部を突破した。海外翻訳版も出版されており、タイでもドラマ化されるなど、国内外で愛されている作品だ。

そんな「チェリまほ」がついにTVアニメ化。奥田佳子監督のもと、サテライトがアニメーション制作を手がけ、キャラクターデザインを「ハイキュー!!」シリーズの岸田隆宏が担当。安達役を「クールドジ男子」や「地獄楽」などでも主役を務める小林千晃、黒沢役を「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」や「Dr.STONE」でも活躍中の鈴木崚汰が務める。

■黒沢の告白に安達は?

ついに黒沢から声に出して好きだと言われた安達。翌日、黒沢は出張で会社にはおらず、顔を合わせるのが気まずいと思っていた安達は心を撫で下ろす。

そんな中、安達は藤崎(CV:小清水亜美)さんの仕事を手伝うことに。そこで元気がないことを心配され、再び勘違い。自分のことを好きかもしれない藤崎さんと付き合ったら……を想像し、安達は「童貞も捨てて こんな変な魔法もなくなるかもしれない」と思うのだった。

心が揺れてしまうのは、安達が以前から藤崎さんに対して少なからず好印象を抱いていたから。安達をずっと見てきた黒沢もそれに気づいていた。きっと安達は藤崎さんのことを好きになるだろうと。それでもなお思いを伝えたのは、きっぱりフラれたら諦めがつくと思ったからだ。黒沢の安達に対する切ないほどの思いが胸に迫る。

触れた人の心が読めるようになってから、安達は黒沢の意外な一面を知った。完璧に見えて実は心の中で葛藤していること、むっつりすけべで意外に嫉妬深いこと、自分のことを本当に大事にしたいと思ってくれていることも……。

だけど、黒沢は男で、その思いの強さがたまに怖いと感じる時もある。告白を断って、同僚として今まで通りの関係でいれたら楽だ。でも安達は、触れるたびに聞こえた黒沢の心の声が耳から離れない。今まで通りでいられるはずなどなかった。

■アニメはバレンタインが安達と黒沢の両思い記念日に

勢いよく会社を飛び出し、黒沢の元へと向かう安達。そして「俺も 黒沢のこと好きだ」と告白の返事を伝える。黒沢が自分を大事にしたいと思ってくれているように、安達も黒沢のことを大事にしたいと素直に思った。

ようやく思いが通じ合った2人。あまりに嬉しくて、人通りのある道にもかかわらず、安達を抱きしめてしまう黒沢。その瞬間、黒沢の言葉にならない感情が安達の中に流れ込んできた。「黒沢の心に触れるために 俺は魔法使いになったのかもしれない」という安達のモノローグは本作屈指の名台詞だ。

2人の両思いを願っていた視聴者からは「やっと結ばれたー!!!くろあだおめでとう」「大好きなシーンの1つが観れて幸せ」「藤崎さんに気持ちがいきそうになるけれど、心の中は既に黒沢さんでいっぱいな安達くん、そして嬉しそうな黒沢さんにもうお赤飯沢山炊いちゃうぜ…」といった祝福の声が寄せられた。

また、この日はバレンタインの放送ということもあり、「ハッピーバレンタイン両想い記念日〜〜ッッ」「チョコより甘いバレンタイン」「両想いおめでとぉぉ。しかもバレンタインの夜になんて、なんてもってるのくろあだっ!!」という声も挙がっている。

■柘植の恋も進展! 声優・古川慎のコミカルボイスが際立つ

一方、今回は安達の友人・柘植(CV:古川慎)の恋も少しだけ進展した。宅配員の湊(CV:佐藤元)に恋をしてからというものの、小説で描くヒロインがツンデレキャラになったり、やたら通販を頼むようになったりと我を忘れることが多くなった柘植。

そんな中、気分転換にと出かけた先で悩みの種である湊と遭遇。「茶でもどうだ」というぎこちない誘いは断られてしまったが、湊が手に持っていたスニーカーをきっかけに話が広がる。プロのダンサーを目指し、日々練習をしているため、すぐにスニーカーがダメになってしまうという湊。柘植は思わず感心するが、湊には悩みが。一緒にダンスをやっていた仲間は次々と就職してしまい、自分もいつまでもこのままじゃダメだという思いを吐露する。

すると、すかさず「わかる!」と共感を示す柘植。学生の頃から小説家を目指していた柘植にも同じような悩みを抱えたことがあるという。その上で、「君はまだ本当は 諦めたくはないんじゃないか」と湊に問いかけた。練習で痛んだ靴が何よりの証拠だ。ハッと我に帰り、説教臭いことを言ってしまったことを柘植は後悔するが、湊には刺さった様子。「俺の名前 君じゃなくて湊って言うんで」と自分の名前を告げて帰っていく湊に、柘植はいくらでも靴を買ってあげたくなるのだった。

柘植と湊の距離が少し近づいた今回のエピソード。柘植を演じる古川慎の大人の色気溢れるイケメンボイスとコミカルな演技とのギャップも印象的だった。

次週はついに安達と黒沢が初デートを果たす。両思いになったことを藤崎にも勘付かれるほど、会社でも安達への思いがダダ漏れな黒沢。ますますテンションが爆上がりするであろう心の声を聴けるのが楽しみだ。

◆文=苫とり子