奈緒と木梨憲武がW主演を務めるドラマ「春になったら」(毎週月曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)の第6話「娘へのサプライズ!父が下した決断」が2月19日に放送された。同作は、“3カ月後に結婚する娘”・瞳(奈緒)と、“3カ月後にこの世を去る父”・雅彦(木梨)が、「結婚までにやりたいことリスト」と「死ぬまでにやりたいことリスト」を実現していく3カ月間を描いた、笑って泣けるハートフル・ホームドラマ。(以下、ネタバレがあります)

■福田靖氏によるオリジナル作品

脚本は「HERO」シリーズやNHK大河ドラマ「龍馬伝」(2010年)、連続テレビ小説「まんぷく」(2018〜2019年、NHK総合)などを手掛けた福田靖氏によるオリジナル作品で、演出はドラマ「パンとスープとネコ日和」(2013年、WOWOW)、ドラマ「きのう何食べた? season2」(2023年、テレ東系)などの松本佳奈氏と、映画「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」(2023年)などの穐山茉由氏が手掛ける。

主題歌は、福山雅治が書き下ろし。深澤辰哉(Snow Man)、見上愛、影山優佳、西垣匠、橋本マナミ、矢柴俊博、筒井真理子、光石研、小林聡美、濱田岳らが出演する。

■瞳はリストから「お父さんにかず君との結婚を認めてもらう」を消去

父・雅彦に「かず君と結婚しない」と伝えて、「結婚までにやりたいことリスト」から「お父さんにかず君との結婚を認めてもらう」という項目を消した瞳。一方、雅彦は「死ぬまでにやりたいことリスト」の「カズマルを瞳から追い払う!!」という項目を腕組みしながらジッと見ている。

翌日、瞳は一馬に会い、結婚式をキャンセルしたことも伝えた。「今の私には無理だと思った。結婚はまだ早いって」と気持ちを伝えると、一馬は理解を示し、「結婚のことは忘れよう」と返答。

緩和ケア医の阿波野(光石)からススメられた「人生ノート」を書き終えた雅彦。阿波野に会って、「なんか寂しくなってきて。瞳とお別れなのかなと思うと」と、正直な気持ちを吐露した。これまでのことや今自分が思っていることを言葉で記したことで、自分の今の状況、死期が近づいていることをより実感したのかもしれない。「今から治療を受けたらどうなるんですかね?」なんて、これまでとは違う気持ちも生まれているようだ。


■雅彦「なんで俺、反対してるのか分からなくなってなってきた」

寂しさを感じながらも、終活を進めていく雅彦。意を決して、職場の上司と同僚にガンのステージ4だということを告白した。

瞳は一馬との婚約を解消し、雅彦に寄り添っていこうと決めたが、心身ともに疲弊してしまったのか仕事中に倒れてしまい、入院することとなった。

ストレスが原因と聞き、引け目を感じている様子の雅彦。瞳のベッドの横で、「なんで俺、反対してるのか分からなくなってきた」とついつい口にしたばっかりに、瞳に「今更何言ってんの」とビシッと返されてしまう。

■雅彦からのサプライズに瞳は「お父さん、ありがとう」と感謝

瞳が復調し、退院が決まった。

「(一馬に)会いたいけど、今は会わないほうがいいのかなって思ったりして。お父さんもそのほうが安心でしょ」という瞳の言葉を思い出し、自分は間違っていたんじゃないかと自問自答。

そんな雅彦はあることを計画した。それは瞳へのサプライズ。病院に迎えに行き、自宅に到着すると、瞳を待っていたのは友人の美奈子(見上愛)と圭吾(深澤辰哉)、そして叔母のまき(筒井真理子)。さらに、一馬と龍之介も。

「どうしてかず君が?」と驚く瞳に、雅彦は「別にいいじゃん。婚約解消したって2人別れたわけじゃないでしょ」と言い、「結婚話がなくなったら、俺の残りの人生、張り合いがなくなっちゃうじゃん」と言い訳めいたことを言い始めた。

まきも「もう一回最初からやり直してもいいんじゃない」と瞳に声をかけると、美奈子と圭吾もそれを後押ししてくれた。

雅彦は、自分のせいで瞳が婚約解消したという気持ちでいっぱいで、なんとか仲を取り持とうとして絞り出したサプライズだったのだろう。「人生ノート」を書き終えて感じた寂しさを紛らわせるためにも、一馬の存在が必要だったのだろう。

「お父さん、ありがとう」

瞳の言葉がどれだけ心に響いたことか。「死ぬまでにやりたいことリスト」に書かれていた「カズマルを瞳から追い払う!!」という項目に二重線をつけて消した雅彦の気持ちは晴れやかだったに違いない。

◆文=ザテレビジョンドラマ部