簡秀吉と西山潤がW主演を務める「好きやねんけどどうやろか」(毎週木曜夜0:54-1:24、読売テレビ)が現在放送中。同作は2013年より連載開始された漫画「好きやねんけどどうやろか」(/海王社)が原作のBLコミック。

■愛おしくももどかしい“ムズキュンラブストーリー”

家庭的な小料理屋を舞台に、誰とでもフレンドリーに話すことのできる肉食系関西弁イケメン店主・松本栄枝(簡)と、東京から転勤してきてきたものの関西の空気に馴染めない真面目なバツイチサラリーマン・曽我久志(西山)による、愛おしくももどかしい“ムズキュンラブストーリー”となっている。

この度、WEBザテレビジョンでは、同作のプロデューサーを務める吉田卓麻氏にインタビューを実施。制作秘話やキャスト陣の魅力、今後の見どころなどについて話を聞いた。

■読売テレビで放送するからこその企画

――「好きやねんけどどうやろか」の実写化に至った経緯や、企画を提案するに至ったきっかけを教えてください。

関西ローカルで新しいドラマ枠を立ち上げる際に、関西っぽさを大事にしたいと思い、第2弾は関西弁BLがテーマの「好きやねんけどどうやろか」に決定しました。題名のインパクトや関西が舞台という点が、読売テレビで放送するドラマとマッチしました。

――「ドラマDiVE」枠の二発目の作品となりましたが、BLジャンルを選んだ理由はありますか?

より多くの女性視聴者に観てもらえるジャンルは何だろう? 家に帰って観たら癒されるような作品を作りたいと考えて10月期と、この1月期を同時に企画開発し、10月はTL(ティーンズラブ)、1月はBLという並びになりました。読売テレビとしては、両方とも初めて取り組んだジャンルです。

■本当に素敵なキャストが揃った

――W主演である簡秀吉さん、西山潤さんの起用理由と魅力を教えてください

原作の世界観を大切にするために“ネイティブな関西弁”を話すことができる俳優さんの起用は、重要な要素でした。簡さんはスタイル、ルックスともにイメージにぴったりで、若手俳優として初々しさなどに魅力を感じていました。

西山さんは子役からお芝居をされており、安定感は間違いなくあると思っていましたし、ほとんどが関西出身のキャストの中でも、魅力的な演技ができる方だと思い起用させていただきました。お二人とも現場ではキャスト、スタッフ分け隔てなくコミュニケーションを取られる方々だったので、本当に素敵なお二人に今回の役をオファーできたんだと感じています。

――オリジナルキャラである瑞樹も魅力的です。誕生秘話や、奥野壮さんの起用理由と魅力を教えてください

ドラマとして栄枝、曽我を引っ掻き回す存在は自然発生的に誕生したかと思います。人がいい栄枝がどうしてもほっとけない、小悪魔的な魅力のあるキャラになってほしいという思いがありました。奥野さんのまっすぐな演技から感じる色気や、セクシーさを存分に発揮してほしいと思いオファーさせていただきました。金髪にした姿を初めて見たスタッフが、その魅力に取りつかれていたのが印象的です。

――撮影現場の雰囲気はいかがですか?

本当に笑顔の絶えない現場で、冬場の寒い中での撮影ではありましたが、簡さんの天然な雰囲気を中心にポカポカした空気が漂っていました。

■女性目線の美しいBLを意識

――吉田Pお気に入りのシーンや、裏エピソードがあれば教えてください

栄枝と瑞樹の出会いのシーンは大好きです。恋愛に奔放な瑞樹と、困った人をほっとけない栄枝のやさしさを美しく、かつ面白く表現できたシーンだったのではないかと思います。また、毎話入るサウナのシーンは店では出さない栄枝の心の内を表す場として設定しました。栄枝の心境の変化を1話から見直していただけると違った視点でもう一度ドラマを楽しめると思います。
 
――BL作品とのことで男女が織りなす恋愛ドラマと比べ、大変だなと思ったことや苦労したことはありますか?

女性プロデューサーの意見を大切にしました。女性が見たい美しい恋愛ドラマをお届けするにはどうしたらいいか、女性スタッフの意見を参考にしながら丁寧に進めました。男性が男性に恋をする気持ちを私は経験したことがないので、脚本打合せではBLの世界観に詳しい方の意見も頂きつつ、原作の千葉先生にも監修をいただきながら、作品を作り上げられたと思っています。

■「好きどや」の魅力が日本を越えた瞬間

――海外からの支持も熱くニュースでも取り上げられていましたが、海外やLGBTQは最初から意識して制作していたのでしょうか。また海外でも話題になっている件についてどう感じていらっしゃいますか?

企画段階で「大阪という設定を他の地方、もしくは海外に舞台を変えてリメークできたいいね」という話をしていたので、海外での反響は素直に嬉しかったです。BLを大事にしながら、各キャラクターの背景や心情の変化、関西ならではの人情味などを大切にしている作品なので、それが海外のBL好きの方々に受け入れられたことを知ったときは自信になりました。

――SNSでの視聴者からの反応はどのように感じていらっしゃいますか?

SNSをチェックしていると好意的な感想を発信してくださっている視聴者が多くてとても嬉しかったです。「さかそが」(栄枝と曽我)と「さかみず」(栄枝と瑞樹)のどっち推し? など視聴者の皆さんが楽しみながらキャラクターを応援していただいているのが伝わりました。BL作品だけど、ラブコメとしてどのキャラクターも視聴者の皆様に愛されているんだなと感じました。

■最終話はエンディングが特別版に

――最終話の見どころと、視聴者へのメッセージをお願いします

最終話は、感情がぐるぐると引っ掻き回されると思います。栄枝、曽我、どちらの気持ちになってみても胸キュンするはずなのでぜひお楽しみください。また監督がこだわって作っているエンディングも、最終話は特別バージョンなので楽しんでいただけると嬉しいです。関西弁のほかにもこんな設定の「好きどや」を見たいです!というご意見募集しております(笑)