永野芽郁主演のドラマ「君が心をくれたから」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系)。3月4日放送の第9話では、太陽(山田裕貴)の家族団らんシーンに大きな反響が寄せられた。(以下、ネタバレを含みます)

■案内人・千秋が母だと知った太陽

本作は、ノスタルジックな雰囲気の長崎を舞台に、主人公・逢原雨(永野)が、かつてただ一人心を通わせた忘れられない男性・朝野太陽(山田)と“過酷な奇跡”に立ち向かうファンタジーラブストーリー。脚本は、純愛小説の名手として若い世代に注目の作家・宇山佳佑氏によるオリジナルだ。

太陽の命を救う奇跡の代償として、3カ月かけて五感を失っていく雨。前回、その奇跡を見届ける案内人・千秋(松本若菜)が太陽の亡き母・明日香であることが判明した。第8話では、太陽もそのことを知ったが、もう一人の案内人・日下(斎藤工)から、生前にまつわる会話をすると魂が完全に消滅してしまうと教えられた。

■千秋を交えて食卓を囲む

目の前に見えて、話すことができても、「母さん」と呼ぶことはできない。けれども、そのルールにのっとっても気持ちは伝えることができると雨に励まされた太陽は、「天国があるかはわからないけれど、もしそこで偶然…偶然、俺の“母さん”に会ったら、伝えてほしいんです。ごめんなさい…」と、自分が起こした火事に巻き込んでしまったことを謝った。それに対し千秋もルールを守り、母としての返事をグッと抑えて、「分かった。伝えるわ」と返した。

約4分に及んだ2人の涙の会話シーンは、視聴者の涙も大いに誘った。だが、その涙が乾かぬうちに、また頬を涙が伝うことに。

太陽のお願いを受けた代わりのお願いとして、千秋が望んだ「見たい景色」。それは家族団らんだった。

父・陽平(遠藤憲一)、妹・春陽(出口夏希)と共に席についた太陽は、「母さんもここに呼ぼう!」と言ってイスを座れる位置までひき、鍋の具をよそった。

陽平、春陽には千秋の姿は見えない。けれど確かにそこにいて、太陽の心の底から喜んでいるような笑顔がまぶしかった。


■切なくも温かい朝野家のシーンに感動

たわいもないけれど家族の温かな会話を聞きながら、笑みと涙があふれる千秋。すると、太陽は鍋を食べ終えたあと、春陽を誘って外出し、父と母を2人きりにした。

妻と話していたことを太陽が口にしたことから何かを感じ取っているかのような陽平は、「明日香、そこにいるのか?」と問い掛けた。千秋の「いるよ」は聞こえず、「なんてな」と寂しそうにつぶやく。だが、自分と出会ってなければ幸せだったのではないかと後悔しつつ自分は「幸せ者だ」と胸の内を明かし、「ありがとう」と感謝の言葉を口にした。

家族団らんから太陽の計らいによってできた“夫婦”の時間。遠藤、松本の静かな演技により、秀逸な場面となった。これまで切なさに涙してばかりの本作だが、今回は切なくとも温かいものも胸に広がった。

SNSには「エンケンさんと若菜さんのシーン良すぎる」「今日はエンケンさんと松本若菜さんの回」「エンケンの演技うますぎて泣いてしまった」「松本若菜さんの涙まで美しすぎて」など称賛が寄せられた。

◆文=ザテレビジョンドラマ部