簡秀吉と西山潤がW主演を務める「好きやねんけどどうやろか」(毎週木曜夜0:54-1:24、読売テレビ)の第9話が3月7日に放送された。曽我(西山)が自分のために無理をするのを見かねた栄枝(簡)が別れを切り出す様子が切なすぎた。(以下、作品のネタバレを含みます)

■「好きやねんけどどうやろか」とは

同作は2013年より連載開始された漫画「好きやねんけどどうやろか」(千葉リョウコ/海王社)が原作のBLコミック。家庭的な小料理屋を舞台に、誰とでもフレンドリーに話すことのできる肉食系関西弁イケメン店主・松本栄枝と、東京から転勤してきてきたものの関西の空気に馴染めない真面目なバツイチサラリーマン・曽我久志による、いとおしくももどかしい“ムズキュンラブストーリー”となっている。

栄枝と3年前に別れた元恋人・中津瑞樹役に奥野壮、また久志と同僚で大阪生まれ大阪育ちの歯に衣着せぬ物言いが特徴的なキャラクター・神田数代役に村瀬紗英、さらに栄枝と長年の付き合いがあり、良き理解者ともいえる幼馴染・龍田要役には、堀家一希が抜擢。これらのキャストは、いずれもドラマオリジナルキャラクターとして登場し、栄枝と久志の周囲を取り囲む主要キャラクターとなる。


■曽我が急遽、東京に呼び戻されることに
松本栄枝は母親が遺した大阪下町・路地裏にある安くてうまくて家庭的なメニューを出す小料理屋「たまえ」を切り盛りする若き店主。コテコテの関西弁を使う栄枝は、老若男女問わず誰にでもフレンドリーな性格で、居心地の良いお店はいつも常連で賑わっていた。

そんなある日、東京から大阪に転勤してきたバツイチサラリーマン・曽我久志が、上司に連れられて「たまえ」を訪れる。栄枝は自分が作った料理を綺麗に食べる曽我を見て一目惚れをしてしまい、唐突に「好きやんねんけど、どうやろか」と告白する。

曽我が東京に戻るまで残り10カ月間となり、一緒に過ごせる時間を大事にしようと気持ちを新たにした2人。だが、そんな決意も束の間、曽我が急遽東京に呼び戻されることに。数代と要の発案で遠距離恋愛のシミュレーションとして、メッセージと電話のみでやりとりをしてみるが、2人は会いたくなってしまい上手くいかない。

そして、曽我は栄枝に会社を辞めて大阪に残ると言う。

■栄枝「無理やり笑顔を作ってる曽我さんがそばにおっても俺はなんもうれしくない」

栄枝は曽我に無理をさせているのではないかと心配する。

2人でサウナにやってきて曽我はずっと栄枝と来たいと思ってたと笑うが、栄枝は曽我に真剣なまなざしを向ける。曽我がどうしたのかと尋ねると「曽我さん、やっぱ俺ら、遠距離で頑張ってみいひん?」と栄枝。曽我が目線を背けて、その話は辞めようと言っても栄枝は「新しいプロジェクト、曽我さんがずっとやりたかったことなんやろ」と言う。

「俺は栄枝くんと一緒に居たいから…」と言いかける曽我を制して「俺のために大事なもん手放して欲しくないねん。どうしても遠距離やったら空きませんか?」と問い詰める栄枝。曽我は無理だよと答える。

曽我に甘えていたと後悔する栄枝は「無理やり笑顔を作ってる曽我さんがそばにおっても俺はなんもうれしくない」と言い、「曽我さんがどうしても遠距離できひん言うんやったら、ここで終わりにしたほうがいいと思う」と続ける。

目を見開いて驚いたまま何も言えない曽我に、栄枝は「曽我さん、俺ら別れようか」というのだった。

お互いがお互いを思い合う気持ちは手に取るように伝わってきて、切なくなってしまった。

◆構成・文=牧島史佳