CS放送「衛星劇場」にて、前川知大が手掛けた舞台「無駄な抵抗」が3月31日(日)昼4:00〜夜6:30にテレビ初放送される。

■「運命」をテーマにした前川知大×世田谷パブリックシアター最新作

同作は2023年11月11日〜26日に上演された、前川×世田谷パブリックシアターによる4年ぶりの新作。ギリシャ悲劇の大テーマである「運命」を扱っており、池谷のぶえ・松雪泰子・清水葉月・渡邊圭祐・穂志もえかが出演。そして、前川作品には欠かせない劇団「イキウメ」の俳優である安井順平・浜田信也・盛隆二・森下創・大窪人衛が脇を固める。

池谷は本作などで第31回読売演劇大賞の最優秀女優賞を受賞。さらに前川が優秀演出家賞、土岐研一が優秀スタッフ賞を受賞した。

なお、今回のテレビ放送では、本編終了後に前川・池谷・渡邊のインタビューも放送される。

■「無駄な抵抗」あらすじ

その駅は半年前に電車が停まらなくなった。どの電車も通過するだけ。住民は困惑しながらも、隣の駅まで行くなり、他の交通手段を使うなりして日常を守っていた。

駅ビルは寂れ、駅前の広場は活気を失った。占い師として活躍していた桜(松雪)は地元に戻ってカウンセラーとして再出発する。クライアントとして現れたのは、同級生の芽衣(池谷)だった。

芽衣は、かつて桜に言われた言葉に強く影響を受けていた。その言葉が自分の性格と人生を決定づけ、苦しんでいると言う。あれは予言であり、呪いだったと。

駅前広場で始まる対話は、次第に芽衣を取り巻く奇妙な運命を明らかにしていく。幼い頃の父の態度、叔父との関係、予言を避けるためにした選択、母の残した手紙、芽衣の入れ込むホストの出生の秘密。叔父が探偵まで雇い、芽衣を監視していたこと。

2人は、芽衣を苦しめているものが何なのか、そして芽衣の心に深く刺さった桜の予言をどうするべきなのか、考える。

広場では、関係者たちが2人の会話に聞き耳を立てている。