Snow Manの岩本照、深澤辰哉、宮舘涼太が主演・演出を務める舞台「祭 GALA」の公開ゲネプロ・初日前会見が3月31日に東京・新橋演舞場にて行われ、3人が初日を迎える心境やカンパニーのチームワーク、1年ぶりに帰ってきた新橋演舞場に対する思いなどを語った。

■和と洋が融合した祝祭感溢れるエンターテインメント

同舞台は、4月1日(月)から29日(月)まで新橋演舞場にて上演される、和と洋が融合した新たなエンターテインメント。和を強く意識した世界観と洋の要素を取り入れた演出をはじめ、新曲も披露される。また、岩本が振り付け、宮舘が衣装を手掛けるとともに、世界的ファッションデザイナーのコシノジュンコがオープニングの衣装をデザイン。

これまで新橋演舞場で「滝沢歌舞伎」シリーズをはじめとする数々の舞台を経験し、舞台機構を熟知した3人が、共に手を携え、タイトルにふさわしい祝祭感がみなぎる華やかでエネルギッシュな舞台を創り上げる。

ほか、林蓮音、和田優希、中村浩大、寺澤小十侑、松浦銀志、羽村仁成、阿達慶、竹村実悟、渡邉心、堀口由翔が出演。

■「迷走するのが新しいことに挑んでいるということ」

「初日を迎える心境」を問われ、岩本は、「キャストの皆さん、教えてくださる各先生たちとスタッフさんたちに支えてもらってようやく初日を迎えられそうだなという思いでいっぱいですね。新しいことに挑戦するので、ワクワクする気持ちとともに、迷走するのが新しいことに挑んでいるということなんだなと感じながら稽古期間を過ごさせてきてもらっていたので、明日から始まるんだなというふうに思うとすごく楽しみです」とコメント。

また、「僕は振り付けを考えたりとかそういうところは経験はしてきましたし、去年もステージの上にも立たせていただきましたし、演舞場に関しては演出もやらせてもらったりもしたので、いろいろな視点から物事を眺めさせてもらうという部分では、面白さと難しさの両方のバランスを感じながらここまでやってきたなと思います」と語った。

深澤は、「いつもライブだったりとか舞台の初日だったりとか、ゲネとかもそうですけど、だいたい僕緊張するんですよ。でも今回は、プレッシャーとか緊張するよりも、楽しみだなとかワクワクするなという気持ちの方が強くて」と瞳を輝かせる。

そして、「今日ゲネをやって改めてそう思ったのかなというふうには思いますね。やっぱり拍手をいただいてとか。キャストのみんなとかスタッフさんもそうですけど、僕たちだけじゃ舞台というのは成立しない。やっぱり見てくださる皆さんがいてようやく完成なんだなと思うと、本当に早く明日になってほしいなという気持ちでいっぱいでございます」と武者震い。

記者から「ゲネを終えて自信満々ということですね」と追及されると、「そりゃそうですよ!」と即答。しかし、「でも今こうやって強気な発言をしてますけど、明日初日になったら登場シーンの仁王立ちとか足が震えているかもしれないので(笑)」と本音ものぞかせた。

宮舘は、「本当に楽しみな気持ちと同時に、私事ですが、31歳になって初めてステージの上で皆さんに向けてのパフォーマンスということで、新たな宮舘涼太を見せていけたらと思いますし、演舞場に関しましてはスタッフの皆さんが『おかえり』と言ってくださったので、『ただいま』と返させていただきましたね。なので、一致団結して楽しんでもらえるエンターテインメントを届けられる喜びを感じながら、明日から挑みたいと思います」と意気込んだ。


■消えることのないスタッフとの絆「また会えたね」

「1年ぶりに帰ってきた新橋演舞場に対する思い」を問われ、深澤は、「思いはやっぱりたくさんありますね。いろいろ自分たちが学ばせていただいた場所がここ新橋演舞場だったりとか。スタッフさんとかの顔を見ると落ち着くというか、安心感がすごくある場所だなと思っているので。僕が仲がいいスタッフさんがいるんですけど、会ったときに『また会えたね』という話をして。いろいろな思い出が詰まったこのステージにまた立てるというのはうれしいですね」としみじみ。

そして岩本が、「やっぱり毎年4月にここに立たせてもらえるというのは本当にありがたいと思いますし、今年はタイミング的にも桜の開花と同じくらいになれたので、そこも自分としてはありがたいなと感じています」と続いた。

■宮舘涼太の誕生日をみんなでお祝い「風船の数がすごくて…」

「カンパニーのチームワーク」については、宮舘が「それは素晴らしいものを築き上げていると思いますよ。私事なので申し訳ないんですけど、誕生日のタイミングで稽古場でお祝いをしてくださって、飾り付けをすごく華やかにしてくださったので。まぁ、この2人(岩本と深澤)がね、たぶん指揮をとって。たぶんというか絶対なんですけど(笑)。皆さんテキパキと動いて、風船の数がすごくて…」とコメント。

深澤も「すごかったな。どのくらいやったか分からない。舘さん(宮舘)の入り時間よりも早く入って、キャストのみんなとスタッフさんも手伝ってくれて、みんなで稽古場を風船だったりで飾り付けしたんだけど、ちょっと時間を間違えて。本当は2時間前ぐらいから準備して、終わった後にみんなで一息ついて段取りとかいろいろ確認したかったんだけど、舘さんの入りを俺が勘違いしていて集合したのが1時間前で、ギリギリで作って。でもかなりいいものが作れたかな」と振り返る。

続けて宮舘は、「そこから何がすごいかと言いますと、僕が稽古場に入ったんですね、誰も触れないんです。“あれ?ここ部屋間違えたかな?”くらいの空気感で。そこら辺の一致団結感は座長のお二人がね、みんなに向けてやったんじゃないかなと思うぐらいのチームワークの良さ、そこに僕は感動しましたね」と言及。

深澤が「岩本さんが率先してやってましたね」と明かすと、宮舘は「絶対そうだと思いました」と笑顔を見せた。

一方、岩本は、「僕はまず時間が短いというところでここ(岩本と深澤)でもめましたね。2時間は必要だろというのでもめました。あと風船の位置とか」と告白。深澤は、「やっぱり振り付けの位置とかも決めてるので、位置がうるさかったね」と愚痴をこぼしていた。

■「来てくださる皆さんと一緒に何か一体感を作れたらいいな」

「それぞれの好きな場面」について質問が飛ぶと、すかさず宮舘が「それはライクですか?ラブですか?どっちですか?」ととぼけ、笑いを誘う。

深澤は、「舘様が皆さんに向かって振り付けを教えてみんなで踊るところが、今まであまりなかったなそういうの、と思って結構好きです。明日から来てくださる皆さんと一緒に何か一体感を作れたらいいな」と回答。

岩本が「えぇ〜?」と悩む最中にも、「俺か。俺だろ」「分かるけど、まぁ」とガヤを入れる深澤。ようやく思いつき、「あ、お化け屋敷!お化け屋敷のシーンは、ふっか(深澤)の後輩愛も出ているし、ふっかのお喋りの上手さというところも出ているし、多分本番が始まってお客さんの反応が良ければ良いだけ、間延びするんだろうなと僕は感じています」とアメとムチのコメントをする岩本に、深澤自身も「確かに(笑)」とうなずいていた。

宮舘は、「僕はですね、立廻りの岩本先生のこれ」と肩を出すジェスチャーをし、立廻りのシーンで岩本が途中から片肌脱ぎになる場面を推す。それを受けて「あれは、岩本さんだからなんやかんや成立してますよね」「だって弱いし、俺が脱いでも」と発言する深澤を、岩本は、「そんなことないんじゃない?」と優しくフォロー。

気を良くした深澤は、「そう?じゃあ客席に次出てくるとき脱いで出てきちゃおうかな」とノリノリ。宮舘からは即座に「やめてください?」とたしなめられ、岩本からはにっこりと「好きにしてください」と甘やかされ、さながらコントのようなやり取りを繰り広げた。


■“舘汁”ほとばしるフライングに、深澤辰哉「俺絶対やりたくない」

見どころの一つでもあるフライングで大量の汗を流していた宮舘は、「演舞場がサウナみたいな。“舘汁”が出てましたね〜。舘は漢字で、汁も漢字でお願いします」と“宮舘節”をさく裂。さらに、その“前代未聞のフライング”を、たった5回の稽古で習得していたことを明かした。

その様子を見ていた深澤は、「稽古の場ではなかなか見る機会がなくてですね、リハーサルで客席で見ていたんですけど、『あ〜俺絶対やりたくない』と思って。舘様だからできるフライングの技であって、すごくきれいというか、すごく上品なフライングだなというふうに感じました」と称賛。

さらに、「本当あれ、見ている分にはすごくきれいとかすごく美しいなと思うけど、やっぱりやってる側からするとかなりのパワーを使うと思うので、そういう意味では大変なんだろうな。よかった、俺じゃなくて」と本心が見え隠れ。

一方の岩本は、「前腕鍛えられそうでいいなって」とコメント。まさかの回答に、深澤も「すげえ!やりたいやついた!」と目を見開いていた。

さらに、「どの程度体を酷使したか」を問われると、岩本は、「全然ノーダメージですね、正直。結構余裕だなと僕は感じているので。僕は全然もうどこも、腕も何も効いていないので、何回でもかかってこいって感じですね」と余裕の表情を見せた。

「コシノジュンコが手掛けたオープニングの衣装」について話題が及ぶと、3人それぞれの背中に、タイトルロゴの「祭」の文字の中にも入っているそれぞれの名前の一文字「タ」と「ヒ」と「リ」がコシノの直筆で描かれていることが明かされた。

深澤は、「こんな経験できないですからね。何回も打ち合わせさせていただいて」と恐縮し、宮舘も、「そうですね。本当に一人一人の形から作っていただいたので、最初の登場の袴だったり掛けだったりとかも一つ一つ作ってくださったので、とても感謝しています」と述べた。

「この作品を通してどのようなことを伝えたいか」との質問には、岩本が、「とにかく楽しんでほしいなという。楽しかったり、笑顔になっていただくというのがコンセプト・テーマにある作品になっているので、周りの人を気にして『手拍子するのもな〜…』とか気にせずに、お客さんに楽しんでいただいて、いずれ国内外問わず見に来てくださる方を全員楽しませられるエンターテインメントとして育てていきたいなというふうに僕は思っています」と宣言。

深澤は、「やっぱり笑顔だったりとか楽しい空間というのを皆さんと共有したいなというふうに思っていますし、僕たちはエンターテインメントを届ける上で、まず“自分たちが楽しく”というのがモットーにあるというか。それを皆さんに見てもらって、一緒に楽しんでもらえたらいいなというふうに思うので、いずれは、もちろん日本もそうですけど、海外だったりも行けたらいいな」と目標を掲げる。

宮舘は、「明日からスタートしますけれども、一歩踏み出すということは、とても大変なことでありまして、数多くのスタッフの方と、そして見に来られるお客さんとともに、一緒に心躍る作品を作っていけたらなと思います。なので、よろしくお願いいたします」と呼び掛けた。

最後に、「Snow Manの他のメンバーは見に来るか」との質問が飛ぶと、深澤が「来るって言ってました」と即答。さらに「(向井)康二はなんか3回ぐらい行くって言ってたよ」と暴露し、岩本も「(向井が)『俺めっちゃ見にいくで』って言ってた(笑)」と便乗。そして深澤が「でも本当に、メンバーにもやっぱり見てほしいなというふうに思います」とコメントし、会見は終了した。