ハロー!プロジェクトのメンバー総勢85人(※)が出演したコンサート「Hello! Project ひなフェス 2024」が、30〜31日の2日間、昼夜2部制で計4公演で開催。公演ごとにハロプロ所属の各グループをフィーチャーし、グループの垣根を越えた事前抽選による「シャッフルユニットコーナー」などで、会場を盛り上げ約2万人を動員、計146曲を披露した。

※アンジュルム・平山遊季は体調不良のため、Juice=Juice・川嶋美楓は突発性難聴のため欠席

■江口紗耶が”字余り”の川柳を披露

全35曲を披露した30日の昼公演「Juice=Juice & BEYOOOOONDS プレミアム」では、グループの初パフォーマンスが目白押しとなった。公演タイトルでフィーチャーされたBEYOOOOONDSは、5月29日に発売するグループ通算5枚目となる最新シングル『灰 to ダイヤモンド/Go City Go/フックの法則』をサプライズ発表。同作に収録される「灰 to ダイヤモンド」の初披露では、清野桃々姫の十八番であるトークボックスのパフォーマンスに始まり、メンバーによる巧みなフェイクやラップで魅了。間奏では、音楽大学出身でピアノを特技とする小林萌花がエレクトリックピアノの前に立ったまま、しなやかで力強い鍵盤さばきを見せた。さらに、同作からは「Go City Go」も初披露し、曲中では江口紗耶が<字余り>の川柳を読む、グループらしいユニークさを持ち合わせた曲で会場を盛り上げた。

初日の昼公演の「シャッフルユニットコーナー」でひときわ注目を浴びたのは、アンジュルムの川名凛だ。コンサートの事前抽選では当初、同グループの平山遊季がソロ歌唱を担う予定であったが、欠席のために川名がピンチヒッターに。客席の熱視線を独りで浴びながらモーニング娘。の「Only you」を堂々と歌い上げ、MCで「(平山が)歌う予定だった曲をそのまま歌わせていただいて、とても緊張した」と振り返る川名に対して、グループ同期の為永幸音が「ケロ(川名の愛称)が歌っているのを見て泣きそうで、ウルウルきてしまって」とこぼした。

春日井製菓「つぶグミ」の30周年を記念したハロプロとのコラボレーションユニット・GOODM!Xは「カモン・ミックス!」を初披露。モーニング娘。'24の岡村ほまれ、アンジュルムの橋迫鈴、Juice=Juiceの有澤一華、つばきファクトリーの河西結心、BEYOOOOONDSの西田汐里、OCHA NORMAの北原ももからなるユニットはカラフルな衣装で笑顔を浮かべ、心はずむ曲に合わせて、有澤が特技のバイオリンを軽やかに奏でた。

■佐々木莉佳子「最高のアンジュルムをみなさんにお届けしたいと思います」

公演タイトルでフィーチャーされたJuice=Juiceは、4月20日からスタートする春ツアー「Juice=Juice Concert Tour 2024 1-LINE」をもっての卒業を発表し、自身最後の「ひなフェス」となったリーダーの植村あかりを中心として一致団結。5月15日に発売するグループのメジャー通算18枚目となる最新シングル『トウキョウ・ブラー/ナイモノラブ/おあいこ』から「ナイモノラブ」を初披露し、メリハリあるダンスでグループの呼吸を合わせ、もどかしい恋心を強気に歌い上げた。

30日の夜公演「アンジュルム プレミアム」では、全37曲を披露。4月6日からスタートする春ツアー『アンジュルム concert tour 2024 spring「Secret secret」』をもっての卒業を発表し、自身最後となる「ひなフェス」のステージに立った佐々木莉佳子は、序盤のMCで「ヤバいですね~」とポツリ。一方、「卒業の感じしないんですけど、ラストとかね、あまり関係なく。最高のアンジュルムをみなさんにお届けしたいと思います」と意気込んだ。

グループは「アイノケダモノ」「RED LINE」、「46億年LOVE」など、ライブでの定番曲を惜しみなくパフォーマンス。ステージ後半、公演タイトルでフィーチャーされたアンジュルムの歴代楽曲を他グループが披露するブロックでは、OCHA NORMAがグループ改名前“スマイレージ”名義の「ええか!?」をカバーして会場の一体感を高め、前身からの長きにわたる歴史を感じさせる場面もみられた。

期待される「シャッフルユニットコーナー」では、YouTubeの公式動画「Hello! Project ひなフェス2024~1回限りの!ソロ&シャッフルユニット抽選会!~」にある事前抽選の際、くじを引いた瞬間にその場で崩れ落ちるほどのプレッシャーを抱えていたBEYOOOOONDSの高瀬くるみが、太陽とシスコムーンの「宇宙で La Ta Ta」をソロ歌唱。本番では余裕すら感じられる表情で、遠くを見つめながら凛として歌い上げた。

■横山玲奈「親かと思うほど、感動しちゃって」

モーニング娘。'24の小田さくらと横山玲奈、アンジュルムの後藤花、つばきファクトリーの八木栞、BEYOOOOONDSの江口紗耶からなる「クインテット」は、モーニング娘。おとめ組の「友情〜心のブスにはならねぇ!〜」を披露。モーニング娘。'24としてパフォーマンスしたブロックで、シャフルユニットの感想を聞かれた横山は「最初の後藤花、聞きましたか?」と観客に笑いながら語りかけ、ユニット披露時の歌い出しを担当した後藤の活躍に「親かと思うほど、感動しちゃって」と興奮気味に伝えた。

ステージでは、ハロプロ内でも屈指のダンス力を持つメンバーを集めた、ヘアサロン経営などを手がけるブランド「LIPPS」とのコラボレーションユニット・L!PP(from Hello! Project Dance Team)もオリジナル曲「Sunset Summer Fever」をパフォーマンス。モーニング娘。'24の石田亜佑美、アンジュルムの佐々木、Juice=Juiceの段原瑠々、つばきファクトリーの秋山眞緒、BEYOOOOONDS平井美葉は、グループとは異なる表情やダンスを披露した。

31日の昼公演「つばきファクトリー & OCHA NORMA プレミアム」では、全36曲を披露。公演タイトルでフィーチャーされたOCHA NORMAは、昨年秋から続く47都道府県ツアーでの成長を感じさせる、たくましいステージを展開した。他グループを従えた「ウチらの地元は地球じゃん!」では、堂々とした表情でパフォーマンス。「Hello!生まれた意味がきっとある」、「シェケナーレ」などで愛嬌をふりまき、4月7日スタートの沖縄など各地方を巡る春ツアー「OCHA NORMA LIVE TOUR 2024 〜ウチらの地元は日本じゃん!〜」へと期待を高めた。

■6月10日に日本武道館で行われる新沼の卒業公演を発表

先輩たちに憧れ、デビューを夢見るハロプロ研修生も連日会場を盛り上げた。31日の昼公演では、総勢19人で広々としたメインステージをめいっぱい使った「天まで登れ!」で元気よくパフォーマンス。デビューが決定しているハロプロ研修生ユニット'24の7人は、オリジナル曲「CHO ちょこっとロッケンロール」を披露した。

当日はハロプロOGもステージに登場し、宮本佳林、小片リサ、佐藤優樹、稲場愛香、小関舞からなるSIOOM(from M-line Music)は、MBSドラマ特区『シンデレラ・コンプレックス』のエンディング主題歌「C\C(シンデレラ\コンプレックス)'24」を初パフォーマンス。5人はクールな表情で重く強い歌声を響かせ、MCでは、OGとして立つステージへの感動を伝えた小関が「カッコいい感じで、衣装を揃えまして。ダンスもバッキバキに踊ったので、みなさん楽しんでいただけたかなと思うんですけど、どうですか?」と観客に問いかけると、会場に盛大な歓声と拍手が響いた。

5月3日からスタートする春ツアー『つばきファクトリー コンサートツアー2024春「C'mon Everybody !」』をもっての卒業、芸能活動終了を発表したつばきファクトリーのリーダー・新沼希空は、自身最後の「ひなフェス」で躍動。グループをフィーチャーしたステージで、メンバーと力を合わせて「妄想だけならフリーダム」、「Power Flower 〜今こそ一丸となれ〜」などを披露した。

2月につばきファクトリーへ加入したばかりの新メンバーもステージへ立ち、自己紹介。石井泉羽は「好きな公園の遊具は、うんていです。ぶら下がるのが好きです」と微笑み、村田結生は「好きな学校の場所は、体育館です。たくさん運動ができて楽しいです」と吐露。土居楓奏は「私の好きな休日は、ゴールディンウイークです。ちょうど過ごしやすい気温(の時期)だからです」と伝え、3人の初々しい姿を先輩メンバーや観客が温かく見守った。

ステージでは5月18日に行われるグループの上海公演、6月10日に日本武道館で行われる新沼の卒業公演も発表。客席からは、大歓声が上がった。