伊藤沙莉がヒロインを務める連続テレビ小説「虎に翼」(毎週月〜土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月〜金曜の振り返り)の第4回が4月4日に放送され、寅子(伊藤)が真っすぐに語った正直な思いに共感の声が続々。伊藤の繊細な表情の変化にも注目が集まった。(以下、ネタバレがあります)

■“結婚=幸せ”に抵抗を感じる寅子

「虎に翼」は、日本初の女性弁護士の一人となった三淵嘉子をモデルにしたオリジナルストーリー。昭和の初め、女性に法律を教える日本で唯一の学校へ入学し、法曹の世界に進んだ主人公・猪爪寅子(いのつめ・ともこ)が、仲間たちと切磋琢磨(せっさたくま)しながら日本初の女性弁護士、そして裁判官となっていく姿を描く。

第1週「女賢しくて牛売り損なう?」では、寅子の兄・直道(上川周作)と親友・花江(森田望智)の結婚が描かれた。親友の結婚は素直に祝福できても、自分の幸せも結婚にある、とはどうしても思えない寅子。だが、結婚こそが女の幸せと信じて疑わない母・はる(石田ゆり子)の壁は厚い。

■「結婚がいいものだなんて思えない」

結婚式のあと、寅子はやっと女子部法科への進学について、母はるに正直な思いを打ち明けた。

「どうせ全部、お見合いから逃げるため」と頭ごなしに否定するはるに「そうだよ。だって私、お見合いはしたくない」ときっぱり。「結婚がいいものだなんて思えない。先生は私の話を遮らなかった。それどころか、もっと話をしろ、話を続けろ、って。そんなふうに大人に言われたことなんて、今まで一度もなかった。それだけですごくうれしかった」と、はるを真っすぐ見つめながら、穂高教授(小林薫)の言葉に救われたことを率直に伝えた。

これから始まる寅子の物語の方向を定める“決意表明”であるこのシーン。演じる伊藤の説得力ある切実な言葉、そして意志的な表情が、視聴者の心を掴んだ。

「『話を遮らなかった』のセリフに泣けた。トラちゃんはただ、話を聞いてほしかったんだよね。お見合いでの失敗を丁寧に描いてきたのがここにつながる」「結婚は女性が法律上の“無能力者”になる日なんだもんな…」「寅子の思いは令和に生きる自分にも共感できる」と、寅子に寄り添う声が続々。

また、演じる伊藤にも「沙莉ちゃんの表情がすごい。全部伝わった!」「自分が自分でいられるかもしれない場所を見つけた高揚感をすごく感じた」といった感嘆の声や、「ナレーションで心情の説明も入る分、表情で細やかに気持ちを表現してるんだ」という分析も。俳優としてキャリア20年、映画やドラマの主演作も多く、「エランドール賞新人賞」(2021年)や「文化庁芸術祭 放送個人賞」(2022年)、「橋田賞 新人賞」(2023年)など受賞歴も多い伊藤が卓越した演技力で魅了。SNSで「#虎に翼」がトレンド入りする反響を呼んだ。

一方で、娘から「結婚がいいものだなんて思えない」と言われた母はるに寄り添う声も…。「はるさんのわが子を思う気持ちも否定できない」「はるさんの生き方だって理解できるだけに、苦しい」といった声が上がった。続く4月5日(金)放送の第5回では、いかに母を説得すべきか悩む寅子の姿が描かれる。