伊藤沙莉がヒロインを務める連続テレビ小説「虎に翼」(毎週月〜土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月〜金曜の振り返り)の第5回が4月5日に放送され、寅子(伊藤)の母・はる(石田ゆり子)の胸の内で起こった大きな変化が描かれた。はるもまた自分の意思で人生を切り開いてきたことが明らかになり、視聴者から感動の声が上がった。(以下、ネタバレがあります)

■寅子の進学に反対するはるだったが…

「虎に翼」は、日本初の女性弁護士の一人となった三淵嘉子をモデルにしたオリジナルストーリー。昭和の初め、女性に法律を教える日本で唯一の学校へ入学し、法曹の世界に進んだ主人公・猪爪寅子(いのつめ・ともこ)の奮闘を描く。第1週「女賢しくて牛売り損なう?」では、結婚こそが女の幸せと考えるはるが寅子の進学に反対する展開が描かれた。

実ははる自身、女学校に行きたくても行かせてもらえず、そんな家から離れるため結婚したのだった。幸せを掴むため必死で生きてきたはるが口にする「頭のいい女が確実に幸せになるためには、頭の悪い女のふりをするしかない」の一言は重い。

■ピシャリ一喝「お黙んなさい!」

だが、法科の臨時講師・桂場(松山ケンイチ)の言葉が、はるの心に火をつけた。「君のように甘やかされて育ったお嬢さんは、傷つき、泣いて逃げ出すのがオチだろう」と頭ごなしに寅子を否定する桂場の言葉を聞いて、はるは「お黙んなさい!あなたにうちの娘の何がわかるんですか」と一喝。

そのままの勢いで、見合いのための振袖を買う代わりに専門書店で六法全書を買い、「私は、私の人生に悔いはない。でも、この新しい昭和の時代に自分の娘にはスンッとしてほしくないって、そう思っちゃったのよ!」とぶちまけた。

■石田ゆり子“はる”に「かっこいい!」

できるだけ居心地のいい相手と結婚し家庭に入ることが、女性にとってもっとも現実的な幸せだった時代。娘に“正解”の道を歩ませたい気持ちも親心なら、娘の望む人生を歩ませてやりたい思いも親心だ。その葛藤の末にはるが出した答えに、視聴者からも「はるさん、かっこいい!」「寅子を思う母の愛に泣けた」の声が続出した。

「あさイチ」の“朝ドラ受け”でも、はるが桂場を言い負かすシーンが話題に。博多大吉が「かっこいいお母さんで」、鈴木奈穂子アナも「気持ちよかったです。出てくる女性がみんなかっこいい」とコメントし、視聴者からも「スカッとした!」の声が続々。X(旧Twitter)では「#虎に翼」がトレンド1位となったほか、「六法全書」「石田ゆり子さん」「桂場さん」などがトレンド入りした。

はる役の石田は、社会現象級の大ヒットとなったドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(2016年、TBS系)で主人公・みくり(新垣結衣)に芯のある生き方を見せる独身キャリアウーマンの伯母・百合を演じた。“一般的な女性の幸せ”よりも寅子の願いを優先させたはるに、百合のキャラクターを重ねる声も。「ああ、はるさんは間違いなく100年後、ゆりちゃんに転生する女性だ」「やっぱり石田ゆり子さんは、こういうかっこいい女性が似合う」の声が上がった。

とにもかくにも最後の難関だった母はるの同意を得て、いよいよ女子部法科進学という“地獄への切符”を手に入れた寅子。第2週「女三人寄ればかしましい?」では、明律大学女子部法科に入学した寅子の新たな日々が描かれる。