コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、関係が変化しても変わらない思いをテーマに描いた漫画『終わらない恋』をピックアップ。作者である漫画家の平泉春奈さんが、2024月3月25日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、1.1万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では平泉春奈さんインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

■終わることを知らない夫の恋心

付き合って2年、結婚して11年になる裕樹と夏子。「恋人」から「夫婦」に、そして気付けば「父と母」という2人の関係性の変化について振り返るところから物語は始まる。

ある日スマホでSNSを見ていると「胸キュンは最初の3年まで」という言葉が裕樹の目に止まる。裕樹はこの言葉に違和感を覚えた。

夏子と裕樹は13年一緒にいる。この言葉の通りだとすると、10年は“キュン”がなかったという計算になる。しかし、部屋に入ってきた夏子を見て「はーーー、すっぴん眼鏡、可愛い〜〜」と思う裕樹。

裕樹には「胸キュンは最初の3年まで」が当てはまらないのは一目瞭然。愛おしそうな目で夏子のことを見ていた裕樹の惚気は止まるところを知らず…。

実際に作品を読んだ人からは、「尊い」「キュンキュンが止まらん」「羨ましすぎ」「良すぎる」「旦那さんにキュンです」といった声が上がっている。

■「着飾ったかわいさより素のかわいさ」が“キュン”ポイント

――『終わらない恋』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

最近DMで「春奈さんは結婚して何年も経ってる旦那さんに対して、今もキュンとしますか?」という質問を受けて、それに対して「相手にキュンとできるのはせいぜい最初の3年位。今は恋が、感謝や尊敬という形の愛に変わった感じかな」ってストーリーズ経由でお答えしたんです。でもその話を夫にしたら、「俺は今もたまにキュンとするよ?」って言われまして。え?!そうなの?そんな人もいるの?ってなり、これは漫画にしてみるかってなりました。

――本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

こだわりポイントは長く続くキュン的感情って、意外と着飾ったかわいさより素のかわいさ、この漫画でいう「スッピン眼鏡」とか「無防備な寝顔」にあるんじゃないかという点です。恋愛してる時はお互いちょっと背伸びしたかわいさやカッコ良さに新鮮さを感じてドキドキしたりすると思うのですが、長年連れ去った2人の場合、日常のふとしたかわいさや、自分にしか見せない「隙」みたいなものにキュンとするんじゃなかろうかと。まあ、全ての人に当てはまらないと思いますけどね。そんな人が増えたらいいなあという個人的願望も含まれます。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

セリフではないのですが、夫が妻にキュンとする度にキュンカウンターのキュン数値が増えてく描写がお気に入りです(全部で5個出現します)。たった7ページでこの人どんだけキュンキュンしてるんだよっていうのが、ちゃんと数値化して見れるんです。

――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?

かなり幅広くインプットしてます。よく届く恋愛相談DMや、夫婦のふとしたやり取り、友達の過去の恋愛の話、ドラマ、映画、漫画、小説、あとはXで流れてくる恋愛系のぼやきからもインスピレーションを受けてます。

――平泉さんの作品は、色づかいに温かみを感じます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?

常々意識してることは、登場人物の感情に合わせて光を描くことです。私は普段から絵を描く上で、映画のワンシーンみたいな一枚を描きたいと思っています。そこで重要なのが光の表現だなと(映画でいう照明ですね)。太陽光だったり間接照明だったりネオンだったりと、登場人物の感情やシチュエーションにしっくり来る温度感を醸せるよう、気をつけてます。

――今後の展望や目標をお教えください。

これまでずっと未婚の若いカップルを描き続けてきたのですが、この漫画をきっかけに今後は子供がいる夫婦や中年以降の恋愛なども描いてみたいなと思いました。あとは多様な性の価値観を扱った恋愛も描きたいです!

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

作品を見て反応を頂けることが、創作の原動力になってます!ここまで頑張ってこれたのは、それに尽きます。いつも本当にありがとうございます。今後も多角的な視点で愛を描いていきたいと思ってますので、更新待っててくださいね!