日向坂46が、11thシングル「君はハニーデュー」を5月8日にリリース。正源司陽子がセンターポジションを務める同シングルは、四期生のセンター抜てきだけではなく、日向坂46のシングルとしては初めて“選抜制”を取り入れたことでも話題に。二期生・金村美玖と四期生・藤嶌果歩に、メンバー全員が表題曲を歌う“全員選抜”からの変化をどう感じているのかを聞くとともに、今後の展望やグループを卒業していくメンバーへの思いを語ってもらった。

■金村美玖、初の“選抜制”で「今一番感じていること」

――今回、日向坂46として初めての選抜制が取り入れられました。

金村:そうなるんじゃないかなと予想していたメンバーは多かったと思います。メンバーの人数がだんだん増えてきたことで、今までのような全員選抜では、一人一人がスポットライトを浴びられる時間も限られてきてしまいますし、覚悟はしていました。

私としてはネガティブに受け止めるのではなく、これはチャンスだと感じているんです。もちろん切磋琢磨してそれぞれが成長できる機会だということもありますが、誰の中にも慢心した心がなく挑めるということは、物を作る上で大事なことだと思うので、これから高みを目指せるチャンスになるんじゃないかなということが、今一番感じていることです。

藤嶌:加入当初から「四期生が入ることで日向坂46が全員選抜ではなくなってしまうかもしれない」ということはすごく感じていたんです。「私たちがそのきっかけになってしまった」と四期生も複雑な思いだったんですが、先輩方は温かく受け入れてくださって本当に感謝しかないです。

頂いた環境の中で、精いっぱい日向坂46に貢献できるような活動をしていきたいなという気持ちでいっぱいです。

金村:四期生が加入してから、グループにすごく良い変化が起こったと思っているんです。そのまま全員選抜を続けていたら、私たちももしかしたら「なんとかなるか」という気持ちが続いてしまっていたかもしれません。

「初心に返って頑張ろう」という気持ちを起こさせてくれたのは、四期生の新たなエネルギーによるところが大きいと思うので、「日向坂46に来てくれて本当にありがとう」という気持ちでいっぱいです。

■藤嶌果歩、同期・正源司陽子を「支えられる存在に」

――今後の活動で、藤嶌さんはどのような目標を持っていますか?

藤嶌:四期生は2023年にさせていただいた「新参者 Live at THEATER MILANO-Za」というライブで、ファンの方に「がむしゃら感がいいね」と言っていただけたんです。だから、そういう必死にやる姿を、先輩方と一緒に活動させていただく中でも忘れず、どんどん前に出していきたいなとすごく感じています。

個人としては、加入した頃には「自分に何ができるのか」「自分にどんな特性があるのか」が分からなかったんです。これまでの活動でスピーチをさせていただく機会がいくつかあったんですが、「言葉を伝えるところがいいね」と言っていただけることが増えたので、もっとたくさん本を読んで、今年は語彙力を高めたいなと思っています。

――正源司さんがセンターに立つことについては、同期としてどのように感じていますか?

藤嶌:四期生から抜てきされたことは素直にうれしかったです。陽子とはシンメ(シンメトリー)の立ち位置になることが多かったんですが、シンメを離れ、センターで堂々と立っている姿を見ていて「格好良いな」と思うと同時に、ちょっぴり寂しい気持ちもあります。後ろから陽子を支えられる存在になれるように、今シングルでの活動を頑張りたいと思います。

■齊藤京子&高本彩花への思い

――齊藤京子さん、高本彩花さんとメンバーの卒業も続きます。

金村:まだ整理しきれていないです。本当にこのシングルで終わっちゃうのか、というのが正直な今の気持ち。二人ともお世話になった先輩方過ぎるので、きれいに送り出してあげたい気持ちはもちろんあるんですが、もうちょっと一緒にいたいし、不安も大きいです。

今はグループの転換期というか、今まで支えてくださっていた一期生さんたちがだんだんと卒業されていって、私も強くならなきゃなと感じています。寂しさと、焦りと、複雑な思いではあります。

――齊藤さん、高本さんとの印象的な思い出は何かありますか?

金村:京子さんには、私が初めてセンターを務めた時に隣で支えていただきました。大事な時にサラッと支えてくれるような、さりげない優しさと強さがすごく格好良い先輩なんです。私にはできないようなお仕事でたくさん活躍されているところを尊敬していますし、これからの京子さんも楽しみです。

あや姉さん(高本)は、“あや姉さん”とずっと呼び続けている通り、本当にお姉さん的な存在でした。いろいろなメンバーの気持ちに寄り添って話してくれる方で、年の離れた後輩にも、いつも同じ目線で相談に乗ってくれたりして、居心地の良い空間を作ってくださっていました。明るさにすごく助けられていました。

■最新曲は「オリジナリティーあふれる曲」

――最新曲「君はハニーデュー」について聞かせてください。

金村:「君はハニーデュー」というタイトルに皆さん「なんだこれは?」と思うんじゃないかなと思いますが、逆にそれがすごく良いなと思いました。「ハニーデュー」という言葉は聞いたことがなかったので、オリジナリティーあふれる曲になるだろうなと思っています。

曲の雰囲気もMVの雰囲気も、陽子ちゃんがセンターということもあって、すごくフレッシュですし、何より思いっきり笑顔でパフォーマンスできそうな曲なので、すごくうれしいです。

藤嶌:フルーツの名前が盛りだくさんの歌詞で、かわいくてポップな雰囲気がすごくお気に入りです。かわいいだけじゃなく、ちょっぴり“おもしろかわいい”テイストなところが、センターの陽子にぴったりだなと思いました。

――MVの撮影はいかがでしたか?

金村:撮影でいろんな所に行ったんですが、特に印象に残っているのは、みなとみらいのヘリポートを貸し切っての撮影です。けやき坂46の「期待していない自分」という曲のMVでも行った場所だったので、つながりを感じられてエモーショナルだなと思いました。すごく良いMVになっていると思うので楽しみです。

■金村美玖&藤嶌果歩の「理解されにくいけれど好きなもの」

――歌詞に「みんなが好きかどうかなんて 関係ない好み」という言葉があります。お二人は「他人には理解されにくいけれど好きなもの」は何かありますか?

金村:理解してくれる人がいるかいないか分からないんですけど、私は女の子の髪の毛がすごく好きなんです。ロングで、毛質が固めで、毛量がちゃんとあって、エアコンに当たって動く髪が好きなんです。

それを指ですくような感じで、しゃーってやるのがすごく好きなんですよね(笑)。たまに河田陽菜さんの髪の毛を触らせてもらうんですけど、そうするとちょっとハッピーなんです。

――河田さんの髪の毛が理想的なんですか?

金村:河田さんは結構ベストですね。

――まだ髪は触っていないけれど、気になっているメンバーはいますか?

金村:小西夏菜実は触ってみたいです。やっぱり黒髪ロングがいいです。

■藤嶌果歩「スライムの“音”が好き」

――藤嶌さんはどうですか?

藤嶌:私、すごく音フェチなんです。小学生の時にスライムがはやったんですが、その時にYouTubeでいろんな種類のスライムを作る動画を毎日何十本も見ていたんです。それが本当に好きで、いまだに見ます。

――スライムは触り心地じゃなく音が好きなんですね。

藤嶌:実は触り心地も好きです。25歳とかになっても好きだと思います。

金村:微妙な…(笑)。

藤嶌:25歳までは好きでいられると思います(笑)。そしゃく音とかを聞くことも好きなんです。家族や同期メンバーはそしゃく音が苦手だというので、バレないようにこっそり一人で聞いたりしています。

――金村さん、理解できますか?

金村:ちょっとあんまり…(笑)。

――藤嶌さんは、金村さんの髪の毛好きは理解できました?

藤嶌:あんまり…(笑)。

金村:「他人に理解されない」というお題通りに答えられて良かったです(笑)。

――最後にファンの方にメッセージをお願いします。

金村:出会いと別れと、激動の出来事がいろいろと起こっていて、メンバーとしても不安がないわけではないんですが、今こそ手を取り合って進んでいかなきゃいけない時期だと思っているので、おひさま(ファン)の皆さんもぜひ一緒に手をつないでいただきたいです。向かい風は強風かもしれませんが、一緒に立ち向かっていく様は格好良いと思うので、頑張って突き進んでいきたいです。

藤嶌:私たちは今年「Let's Be Happy!」という目標を掲げ、突き進んでいくことを決めたので、皆さんにハッピーな気持ちになっていただけるような活動を、2024年もがむしゃらにやっていきたいなと思っています!

◆取材・文=山田健史