クリストファー・ノーラン監督最新作「オッペンハイマー」が、3月29日に日本公開された。公開からわずか37日間で観客動員100万人越えを達成し興行収入16億円を突破した。

■伝記映画No.1の大ヒット…世界興収10億ドルも視野に

第96回アカデミー賞で「作品賞」「監督賞」を含む最多7部門受賞となった本作は、第二次世界大戦下、世界の運命を握った天才科学者J・ロバート・オッペンハイマーの栄光と没落の生涯を実話にもとづいて描いた作品。2023年7月の全米公開を皮切りに、実在の人物を描いた伝記映画としては歴代1位を記録するなど世界興収も10億ドルに迫る勢いだ。

本作では、クリストファー・ノーランが監督、脚本を務め、主演のキリアン・マーフィーほかエミリー・ブラント、マット・デーモン、ロバート・ダウニーJr.、フローレンス・ピュー、ジョシュ・ハートネット、ケイシー・アフレック、ラミ・マレック、ケネス・ブラナーらが出演している。

■4種のフォーマットが映像体験を後押し

ノーランは撮影で、IMAX65ミリと65ミリ・ラージフォーマット・フィルムカメラとを組み合わせた、最高解像度の撮影を実践。また、本作のためだけに開発された65ミリカメラ用モノクロフィルムを用い、史上初となるIMAXモノクロ・アナログ撮影を実現した。IMAX撮影による、天才科学者の頭脳と心を五感で感じさせる極限の没入体験を味わえる作品となっている。

劇場での上映は、IMAX65ミリ・カメラの表現力を知り尽くしたノーラン監督が2つの画角で極限の没入体験へと導くIMAX版、質の高い音響で監督の演出意図を堪能できるDolbyCinema、繊細な表現が心に焼きつく35ミリフィルム版、そして通常版の4つのフォーマットで上映。

映画ファンだけではなく幅広い客層へと支持が広がり、興行収入を牽引している。

■天才科学者の栄光と苦悩を描く重厚なストーリー

第二次世界大戦下、アメリカで立ち上げられた極秘プロジェクト「マンハッタン計画」。これに参加したJ・ロバート・オッペンハイマーは優秀な科学者たちを率いて世界で初となる原子爆弾の開発に成功する。しかし原爆が実戦で投下されると、その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するようになる。冷戦、赤狩り―激動の時代の波に、オッペンハイマーはのまれてゆくのだった。