長濱ねるが、映像化不可能と言われていたベストセラー小説『十角館の殺人』の実写ドラマ(Huluで独占配信)に出演。本作は、十角形の奇妙な外観を持つ“十角館”を有する角島(つのじま)を舞台に、大学のミステリ研究会のメンバーたちが殺人事件に巻き込まれていく様を描いたミステリー。角島から遠く離れた本土で、「死者からの手紙」が届いたことにより、半年前に亡くなった天才建築家・中村青司(仲村トオル)の死の真相について調査し始める“本土パート”とミステリ研究会メンバーが繰り広げる“十角館パート”に別れて物語は進んでいく。長濱ねるが演じたミステリ研究会の“とある人物”(※ネタバレ回避の為、役名は伏せる)も重要な役割を担っている。長濱に今作の出演や撮影秘話について語ってもらった。

■長濱ねるが演じる“とある人物”は…「感情的で率直で、誰よりも愛情深い」

――「十角館の殺人」への出演が決まったときはどんなお気持ちでしたか?

学生の頃に原作を読んでいたので、まさかあの作品に自分が?という衝撃と同時に、どうやって実写化するんだ!?と二重で驚きました。

――これまで長濱さんが演じてこられた役柄や世間的なイメージと、今回演じられたキャラクターはかなり異なると思います。どのような人物だと思いましたか?演じた感想や役作りなど教えてください。

感情的で率直で、誰よりも愛情深い人物だと思いました。まずはミス研メンバーと撮影の合間などでもコミニュケーションを積極的にとって、仲間としての信頼を築くことを心がけました。


――役を演じるにあたり、監督・スタッフ陣とどのようなやりとりをしましたか?

とにかく小説のままの世界を、とチーム全員が共通認識として持っていた気がします。視聴者の方によりリアリティを持ってその世界に入ってもらうために、扮装から仕草まで、丁寧に作りました。

――島メンバーではわきあいあいとしたスタートから、疑心暗鬼に陥っていく、心情の変化を表現する大変さがあったと思います。演じられたキャラクターとの共通点や、逆に共感できない部分など教えてください。

私もあんな状況なったら、誰かを疑うより真っ先にその場所から逃げたくなると思うので、そこは同じだなと思いました。私の演じたキャラクターはそんな中でも、みんなにご飯を作り続けていた部分が優しくて自分と違いますね。自分だったら部屋に閉じこもって出てこないと思います。


■ミス研メンバーとは、「本当に学生生活のようでした」

――撮影中は“ミス研”メンバーとのシーンがほとんどだったと思いますが、なにか印象的だったエピソードがあれば教えてください。

十角館で疑心暗鬼になっていくシーンのために、まずは信頼し切っている安心した仲間という土台を作る必要があることを監督に伝えられました。そのため、積極的にみんなと話をしました。作品のことからそれ以外まで、本当に学生生活のようでした。米倉さんとは撮影終わりに二人でハンバーグを食べに行ったりしました。

――全体的に、時代を感じさせるレトロファッションが印象的で、キャラクターも大変美しかったです。映像として注目してほしいポイントはありますか?

とにかく小説のままの世界を、とチーム全員が共通認識として持っていた気がします。よりリアリティを持ってその世界に入ってもらうために、扮装から仕草まで、丁寧に作りました。是非何周でもして、細部までチェックしてみてください。

■「新たな芝居の気持ちよさを感じることができた」

――長濱さんは朝ドラの出演も経験して、女優として存在感を発揮されています。本作を通じて長濱さんが得た気付きや、役者という仕事の素晴らしさ・難しさを実感したことがあればお聞かせください。

感情的で率直なキャラクターは初めてだったので、初めは少し苦戦しました。しかし、十角館の屋敷に入ってからは、よりミス研の仲間との団結も強くなり、自分の役とも繋がったような感覚がありました。キャラクターがどんどん感情的になっていく部分は、自分でも経験したことのない新たなお芝居の気持ちよさを感じることができました。


――最後に、改めて長濱さん視点での「十角館の殺人」の見どころ・注目ポイントをお聞かせください。

チーム皆、綾辻先生へリスペクトを胸に、十角館で過ごしてきました。原作ファンの方も原作未読の方も全員にワクワクしていただける上質なミステリーになっていると思います。ぜひミス研の我々と一緒に推理しながらご覧ください!