メトロンズがテレビドラマに、「年齢もバラバラだし、同期というだけで20年以上も一緒にいられるのが不思議」<向かいのアイツ>
■ほぼアドリブ!?「早朝からボケまくったのがつらかった」
――メトロンズとして出演する初のテレビドラマ。撮影はいかがでしたか。
KAZMA「12話を10日間で撮影するというタイトなスケジュールだったので、スタッフさん始めロケ地の商店街の方など、いろんな人に助けられた撮影でしたね」
児玉「早朝からのロケとか、大声出しまくっていたけど大丈夫だったかな」
田所「朝早い時間に全力でダッシュするシーンもあったよね」
児玉「めちゃくちゃ走ったよ」
田所「あと俺は、早朝からボケまくったのも印象深い。かなりつらかった!(笑)」
赤羽「しかもアドリブでね(笑)」
――脚本を担当した中村元樹さんが「撮影を見学に来たら、台本にないアドリブシーンばかり撮影していた」とおっしゃっていたとお聞きしました。
KAZMA「俺らが勝手に興奮してアドリブを繰り出したみたいに聞こえますけど、ちゃんと台本に『アドリブで』って書いてあるんですよ!」
赤羽「(田所)仁くんの街ブラでボケ倒すっていうキャラクターはヤバかったよね。現場に行ったら台本に書いてあった物ボケの物が変わっていて(笑)」
村上「そうそう。台本では串カツでボケてたけど、実際現場ではジャンボメンチカツだったというね。強制的なアドリブ(笑)。1日ボケ倒しているのを見ていたけど、舞台と違ってお客さんがいるわけじゃないし、スタッフさんもドラマだから笑ったらNGになっちゃうし。仁くんの目がどんどんビー玉みたいになっていって(笑)」
田所「その日は気を失うように寝ましたね……(笑)」
――その場のアドリブなど、息のあったやり取りはいつものメトロンズといった感じですね。
KAZMA「でも、やっぱりドラマならではのスケジュール感には、なかなか慣れなかったですね」
赤羽「あと、舞台とはセリフの覚え方が全然違いました。僕はKAZMAとのシーンが多かったけど、コンビのネタあわせみたいに覚えていって。メトロンズでよかったなと思いました。ほかの共演者の方だと、セリフあわせとかお願いしづらいですから」
KAZMA「ずっと2人で『もう1回やろう』って繰り返して。それはめっちゃいい経験だったね」
児玉「ドラマだと正面から撮ったあとに、横からとか同じことを何回も撮るじゃない? 同じボケするのに照れがあったよね」
赤羽「確かに。雑貨カフェチームはボケるシーンが多かったから余計にね」
田所「ボケあうシーンを別カットでもう1回とか。本当に恥ずかしかった(笑)」
――関町さんは、いかがでしたか。
関町「いや、僕もちゃんと撮影にも参加していたんですよ。でも、みんなよりちょっと参加した日数が少なかったので……。まあ、その分、僕はロケ地近辺を一番満喫させてもらいました!」
村上「だから、近所の人に『最近、関町がウロウロしてる』って言われるんだよ(笑)」
関町「空き時間、錦糸町で映画見てたりしてたからね」
赤羽「有意義だな!」
KAZMA「でも、たまの撮影だから毎回すごく緊張していて(笑)」
村上「そうそう。撮影に来たと思ったら女性というかおばちゃん役だし」
関町「演じ方が最後まで分からなかったおばちゃん役ね。多分、俺すごく下手だと思うわ(笑)」
KAZMA「あはは。実力の2割くらいしか出せてない感じだ」
■撮影終わりにはそろってサウナに宿泊。ロケ地を満喫!
――撮影が行われたのは、東京・墨田区にあるキラキラ橘商店街。ロケ地の近くにあるサウナに、皆さんそろって泊まったこともあったそうですね。
児玉「そうなんですよ。朝早くから夜遅くまでの撮影だったので、移動時間がもったいないと。その分、ロケ地の周りをいろいろ探索できたので面白かったですね」
田所「僕と村上は近くにあるせんべろの聖地に行ったりしてね」
村上「昔からのいい店があるよって(共演者の渡辺)哲さんに教えてもらったんですよ」
児玉「いい店だったんでしょ?」
村上「めちゃくちゃいい店! でも、年下の店員さんにめちゃくちゃ怒られた(笑)」
田所「特にこいつがね!」
村上「年下の男の子が眉間にしわ寄せて『だから!!』って。なかなかない怒られ方した(笑)。あと、児玉とも近くにあるもつ焼き屋さんに行ったし。このあたりは下町というか、そういう情緒がありますよね」
赤羽「俺はお酒が飲めないんで、KAZMAと近くのカフェによく行っていましたね。そこでアイスラテを飲むのが心のよりどころでした」
KAZMA「ほっと一息つけるいいカフェなんだよね。オーナーさんなのかな。多くを語らない雰囲気がある人で、最後に一言『がんばってください』と言ってくれて。渋かったね」
赤羽「あと、たこ焼き屋さんのおかみさんもいい人だったよね」
村上「人がいいよね、この商店街。みんな人情がある!」
「同期というだけで20年以上一緒にいられるのが不思議」
――メトロンズの魅力を改めて伝えるとしたら、どんなところでしょうか。
村上「みんな同期なんで、そこが強みですかね」
児玉「チームワークもすごくいいし」
赤羽「メトロンズならではの何かがあるよね」
村上「年齢もバラバラだし、同期というだけで20年以上一緒にいて、演劇チームまで組んでいるというのは不思議なもんですけど」
――メトロンズの関係性を一言でいうと、どんな言葉になりますか。
村上「一言では言いたくないですね(笑)」
赤羽「そこは、ちゃんと考えろよ!」
KAZMA「じゃあ、お前ここ離脱ね。俺らががんばるから黙っていて」
村上「えー!? じゃあ『仲間』です!」
赤羽「薄っ! でも、ここは児玉じゃない? メトロンズのリーダーだし」
児玉「俺!? 何かに例えるとしたら、みたいなことでしょ」
赤羽「そうだね。『実家』とか」
関町「『幕の内弁当』とかね」
児玉「……あ!でも、『幕の内弁当』ですかね!」
赤羽「そのまま言うなよ(笑)」
KAZMA「でも、じゃないよ(笑)」
村上「ちなみに、誰がなんのおかず?」
児玉「……(関町に向かって)ちくわでしょ」
関町「ちくわ!? 幕の内にちくわ入ってなくない?」
児玉「(関町を無視して)俺はシャケね」
村上「自分、めっちゃいいじゃん」
児玉「(田所に向かって)白飯!」
赤羽「意外とメインどころだ」
関町「ちょっと、待って。俺、ちくわ……!?」
KAZMA「俺は?」
児玉「海苔だな」
KAZMA「ここセットだ(と、白飯と言われた田所と肩を組む)」
児玉「(赤羽に向かって)で、コロッケ!」
赤羽「揚げ物! うれしい!」
児玉「あと1人か……。うわ、どうしよう。(村上を見ながら)じゃあ……コロッケ!」
赤羽「なんで俺と一緒なんだよ。Wコロッケ!?」
村上「それコロッケ弁当じゃん。幕の内弁当じゃないよ(笑)」
児玉「結果、コロッケ弁当でしたってことで!」
関町「は!? それじゃ、ちくわ入ってないじゃねぇか!」
村上「結局、それぞれ個性的で好きな人は好きな弁当ってことね(笑)」
――メトロンズとしての今後の野望も教えてください。
KAZMA「やっぱり映画ですかね」
村上「放送局がBS松竹東急ですから!」
KAZMA「僕らの本公演。舞台でやっているものを映像化できたらいいですよね。それが夢ですね」
赤羽「おー、確かに!」
KAZMA「最終的にはゲームとか出したいよね。『さんまの名探偵』みたいな。格ゲーとかも面白そう。めちゃくちゃいろんなキャラクターが使えるんだけど、コマンド入れると関町がおばさん役で出てくるの」
関町「そこでもおばさん役かよ!」
KAZMA「キラキラ橘商店街を舞台にした『龍が如く』みたいなやつもいいな。たこ焼き屋さんを倒したりして」
赤羽「なんでそこ倒すんだよ。たこ焼き屋さんは守れよ!」
■「リアルタイムで見たあとに前回を振り返って見るのも面白い」
――では、最後に改めて本作の見どころをお願いします。
児玉「同じ時間のエピソードを2話ずつ、それぞれ別の視点で描く、という構成になっているんですけど、その時系列が面白いドラマです。1話が洋服屋側の視点で、2話が雑貨カフェ側。同じ時間軸だけど、あとからこんなことがあったんだと明かされるんですよ」
KAZMA「リアルタイムで見たあと、もう1回振り返って前回を見てもらうのも面白いんじゃないかな」
赤羽「僕ら3人以外の役も見どころだよね。本当にいろいろな役を演じているんですよ。特に注目は、仁くんのあのキャラ?」
田所「あいつか!」
KAZMA「“犬塚”という名前だけ覚えておいてもらえたら。これか!と思うはず(笑)」
村上「そういえば、撮影中に突然、俺がやるはずだった役を仁くんがやることになったこともあったよね」
KAZMA「そうなの? 知らなかった」
田所「1人何役もやるから、台本をよく読んだら同時に出ているのが発覚して(笑)」
関町「たくさん役やりすぎて、キャラクター設定を忘れていたこともあったよね」
村上「あった! スタンプラリーマニアの役とか、何日か経って演じたら喋り方が変わっちゃって」
KAZMA「そうそう。2人のシーンがあったんだけど、最初声色変えてやっていたのに後半なぜか井上陽水さんみたいな喋り方になっていて。終わったあとに村上が俺に『最初、どんな喋り方してたっけ?』と確認してきたのを覚えている」
児玉「次の日、カフェに来たときは女性っぽい喋り方になっていたよ」
村上「役にグラデーションがあるんだよ! まぁ、それくらい大変なドラマだったということ。スケジュールもキャストも、パズルみたいに作っていった感じだし、苦労して完成させたこのパズルをぜひ楽しんで観てもらえたらうれしいです」