FA杯の再試合はなくなるが

リヴァプールはヨーロッパリーグ準々決勝で2戦合計1-3と敗れ、大会から姿を消した。7分にモハメド・サラーのPKで先制したが、敵地で3点のビハインドをひっくり返すのはやはり容易ではなかった。

チャンピオンズリーグ準々決勝ではマンチェスター・シティがレアル・マドリードに、アーセナルがバイエルン・ミュンヘンに敗れ、プレミアでタイトルを争っている3強は揃って敗退してしまった。今季のUEFAコンペティションの結果によっては、イングランド勢の来季のCL出場枠が「5」となる可能性があったが、プレミア3強の敗退によっておそらくその権利はイタリア、ドイツに持っていかれることになる。

英『Daily Mail』は、「イングランドサッカーの混雑がチャンピオンズリーグ敗退の一因となった」と、過密日程による疲労が選手たちの足を止めたことを指摘した。CLでイングランドのクラブが準決勝に進出できないのは4年ぶりとなる。

昨季のCL王者はマンチェスター・シティであったが、今季はイングランド勢がCLで結果を残せない悩みを抱えていた時代に逆戻りしてしまったようだ。同紙はジョゼ・モウリーニョの「休息や準備のための24時間、48時間といった、きわめて重要な保護をほとんど与えてくれない」というかつての発言を引用しているが、ペップ・グアルディオラ、ミケル・アルテタ、ユルゲン・クロップの3名はそれに同意するにちがいない。プレミアリーグでは史上稀に見る強度での熾烈なタイトルレースとなっていて、わずか1度のドローが致命傷になりかねない状況。選手の心身の疲労は察するにあまりある。

単純な試合数も他国のクラブよりも多くなっている。3月に入ってから、シティはレアルよりも2戦多く戦っており、アーセナルはここ6週間ではバイエルンよりも1戦多くの試合をこなしていることを同紙は指摘している。リヴァプールも3月に入って以来11戦を戦っており、これもアタランタよりも1戦多い。シティMFロドリは「休みが必要」と訴えており、アーリング・ハーランドとケビン・デ・ブライネはレアルとの試合中に交代を懇願したという。シティ×レアルの延長戦では、シティの選手たちの運動量は明らかに落ちていた。

おりしも来季からFA杯の再試合が廃止になったばかりで、過密日程はやや緩和される流れにあるが、イングランドの選手たちの負担は軽減されるだろうか。