パリオリンピックの聖火がフランスのマルセイユに到着し、7月26日の開会式まで国内をリレーします。この象徴ともいえる聖火を支えているのは、愛知のモノづくりの力でした。  アウトドア用のランタンなどを手掛ける愛知県豊川市の「新富士バーナー」で、聖火リレーのトーチの「心臓部」が造られています。

新富士バーナー開発部の担当者: 「パリオリンピックの組織委員会の方から、突然私に連絡がメールできまして。『迷惑メールかな』と一瞬思っちゃうぐらいだったんですけれども」  2022年、「ボンジュール!」とパリから届いたメールで、トーチのガスボンベと燃焼部分の製造を依頼されました。

「新富士バーナー」は、東京大会(2021年)の聖火リレートーチの制作にも関わっています。  登山やキャンプで使われるランタンで培った、強い雨や風にも耐えられる炎を生み出す技術が評価されました。

新富士バーナー開発部の担当者: 「ランタンの中に入っているメッシュが見えると思うんですけれども、ここがプラチナのメッシュでできています。これと同じものがトーチの中に入っていて、このプラチナが熱されることで、風にも雨にも強いような燃焼部が実現できるんです」

 絶対に消えてはいけない聖火。高い技術で、時速60キロの突風や警報級の雨にも耐えられる“超タフ”な炎を実現しています。

 愛知のものづくりが、2大会連続でオリンピックを支えています。 従業員: 「とても光栄だなというのがあります。オリンピックに携わるということなので、緊張感はとてもあります。炎の形だとか、ガス漏れがないかを特に注意して見ています」  豊川で生まれたトーチを1万人が繋ぎ終えると、いよいよパリオリンピックが開幕します。 新富士バーナー開発部の担当者: 「聖火リレー自体も滞りなく進んではいるんですけれども、品質にはすごく自信があるんですけど、毎日ちょっとハラハラしながらハイライトは見ています。無事に最後の聖火台に点火するまで走り切ってほしいなと思っています」