俳優・西島秀俊が5月31日をもって所属事務所「クォーター・トーン」から退社し、独立することになった。

 西島は事務所ホームページで「22年間、事務所のみなさんとともに歩んだ日々は、私にとってかけがえのない宝物です。心から感謝申し上げます。これからも、国内外のさまざまな作品・企画に挑戦するとともに、そのひとつにとつの作品に真摯に取り組むことで、観客のみなさまに楽しんでいただける作品づくりに携われるよう、精進してまいります」とコメント。

 一部報道によると、2023年からハリウッドの大手エージェンシー「CAA」と契約。今後は海外を見据えて活動していくという。

 西島は1992年に俳優デビュー。直近では日曜劇場「さよならマエストロ」(TBS系)や、テレビ朝日系スペシャルドラマ「黄金の刻〜服部金太郎物語〜」、3月に公開された北野武監督作品「首」にも主要キャストで出演している。

 海外でも評価が高く、21年のカンヌ国際映画祭で、主演映画「ドライブ・マイ・カー」が日本映画史上初の脚本賞を受賞。ボストン映画批評家協会賞で主演男優賞、全米映画批評家協会賞で主演男優賞を受賞している。

 その功績を引っさげ、7月10日に世界配信されるAppleオリジナルドラマ「Sunny」にも出演する。

 このところ多部未華子や黒木華、佐々木蔵之介、田中哲司などが長らく在籍した事務所を辞め、独立するケースが増えている。事務所に所属するよりも〝実入り〟は増えるが、その分、マネジメントの負担は増大。知名度があっても独立後に仕事が激減することもある。

 そこへ行くと、西島は安泰だ。ハリウッドの大手エージェンシーがバックアップしていることもあるが、それ以上に業界では「NGなし俳優」と評判だからだ。西島を知る芸能関係者の話。

「テレビのイメージ同様、西島さんは現場でも寡黙ですね。自分を主張することはほとんどなく、どんな無茶ブリでも断るところを見たことがありません。常に『はい』と答え、与えられた仕事に真剣に取り組んでいます。プロフェッショナルですよ」

 最近は若手でありながら、台本に文句を言ったり、年上のプロデューサーや監督に「こうした方がいい」と進言する俳優が増えている。

「昔だったら干されている。西島さんはそんなことがないから、仕事がやりやすい」

 そう語るのはドラマ関係者。業界の評判も上々なだけに「NGなし俳優」として今後も重宝されそうだ。