WWE悪のユニット「ダメージCTRL」のイヨ・スカイが、観衆を味方につけ女王の座にまた一歩近づいた。

 4月の祭典「レッスルマニア40」では、ダメージCTRLのリーダーだったベイリーに敗れ、WWE女子王座から陥落した。「WWEドラフト」ではスマックダウンからロウへの移籍が決まり、「クイーン・オブ・ザ・リング」女子トーナメントにエントリー。先週のロウでは1回戦でナタリアを破り、13日(日本時間14日)のロウ(サウスカロライナ州グリーンビル)では準々決勝でシェイナ・ベイズラーと激突した。

 元WWE女子タッグ王者のシェイナは1回戦で、ゼリーナ・ベガに代わって出場したマキシン・デュプリを絞殺。ジョシュ・バーネットの弟子で元UFCファイターの強敵だが、イヨはリングインするといきなり奇襲にあう。首投げで場外に放り投げられ、ストンピングから強烈なヒザ蹴りをぶち込まれた。

 だが、ゴングが鳴ると、持ち前のスピード感あふれる攻撃で逆襲。強烈なドロップキックを放ち、ヘッドスプリングを見せて「ヨッシャーッ!」とアピールする。これには悪のユニットの一員にもかかわらず、大歓声が起きた。

 シェイナの左腕攻撃でペースを奪われ、リング下の鉄棒に腕を巻きつけられたところに残忍なキックを浴びた。エルボー連打からウラカン・ラナで反撃するも、シェイナの執拗な左腕狙いから逃げ出せない。左腕の激痛で悲鳴を上げたが、コーナー上の攻防を制し、シェイナを場外に転落させた。ここで得意のムーンサルトアタックをさく裂させ、流れを取り戻した。

 イヨはスワンダイブ式ミサイルキック、背後からのメテオラで猛ラッシュ。必殺のムーンサルトプレスは防がれて、キリフダクラッチ(裸絞め)で捕獲されるも、クロスフェースロックで切り返した。それでもシェイナはニーアタックをぶち込み、引き下がらない。ハイレベルな熱闘には、観衆から「This is awesome!(これぞ名勝負!)」のチャントが上がった。

 勝負どころでイヨは、シェイナのニーアタックをキャッチしてドラゴンスクリュー。コーナーに吹っ飛ばすと、すかさずメテオラで両ヒザを打ち込んだ。最後はパーフェクトなムーンサルトプレスを決めて強敵を葬り、準決勝に進出した。

 試合後はインタビュアーからマイクを奪うと「私がクイーンになって、そしてチャンピオンに返り咲く!」と日本語で絶叫。グリーンビルの観衆がどこまで日本語を理解しているかは定かでないが…観衆からはまさかの大歓声だ。悪の女王は確かな実力で、ファンの支持も集めている。

 準決勝ではライラ・ヴァルキュリア対ゾーイ・スタークの勝者と激突。決勝はPLE「キング&クイーン・オブ・ザ・リング」(25日=日本時間26日、サウジアラビア・ジッダ)で行われる。

 この日のロウは「ABEMA」にて放送された。