ソフトバンクは17日の日本ハム戦(エスコン)で延長12回に及ぶ激闘の末、4―4の引き分け。今季初の北海道遠征は、1敗1分けで開幕6カード目にして初の負け越しとなった。

 2―2で迎えた11回に中村晃の適時打などで2点を勝ち越すも、その裏に守護神・オスナが二死から同点2ランを被弾。相手の驚異的な粘りの前に、あと一歩のところで白星を逃した。

 12球団屈指の打線を誇るホークス。好調な上位打線がけん引する一方で、トレード加入した助っ人砲が悩ましい。打撃不振に苦しむアダム・ウォーカー外野手(32)はここまで49打数9安打、打率1割8分4厘、出塁率2割、長打率2割8分6厘、1本塁打、3打点と低迷。この日も打撃内容に上がり目は少なかった。2三振を含む3打数無安打に終わり、10回に代打を送られて途中交代。これで4試合連続のノーヒットとなり、その間15打数8三振と不振を極めている。この日の第3打席では左投手の膝元へのカットボールに3球連続でバットが空を切った。敵にも味方にも、打席での迷いが深まっているように映る凡退シーンだった。

 巨人時代から真面目過ぎる性格がアダとなるタイプ。チーム内には「性格的なところで悩みを深めている部分が大いにある」との声が多数ある。凡退の仕方が混迷を極めているだけに「ほぼ50打席に立ったということでスタメンではなく、一度リフレッシュさせるのも手」という踏み込んだ声も上がる。

 一方で「もう少し辛抱が必要。山川とともに貴重な右の長距離砲だからこそ、なんとかきっかけをつかんでほしい。技術面の問題もできる限り一軍で修正を図るべき」という意見も根強い。開幕から順調に白星を重ねるチームにあって、助っ人砲の上がり目を辛抱強く待てる余裕があるのは確かだ。さらに「今の主力に代えて上げてくるほどの目ぼしい昇格候補がいない」という寂しい現実もある。

 人柄もよく練習熱心で、すでにチームに溶け込んでいるウォーカー。それだけに、笑顔が減った助っ人砲を気にかける声が増しているのは事実だ。