プロ野球の聖地で〝ホームラン級〟の一発が出るか。ボクシングのWBA世界フライ級タイトルマッチ(5月6日、東京ドーム)で同級3位・桑原拓(29=大橋)と初防衛戦を行う王者のユーリ阿久井政悟(28=倉敷守安)が18日、都内の帝拳ジムで練習を公開。約34年ぶりにボクシング興行が行われる大会場で、桑原の返り討ちに自信を示した。

 2021年7月の前回の桑原との対戦では一進一退の接戦の末、最終10回の終了間際に右ストレート一撃で失神させる〝サヨナラホームラン級〟のKO勝利を収めた阿久井。現在の桑原については「スピードがあった印象ですけど、最近はパワーも加わって一発で倒している試合もある。駆け引きをするようになった印象もある」と警戒を強めた。

 3月31日に岡山県の所属ジムから帝拳ジムに移動し、「対策というよりも、自分のボクシングを磨き上げることをしてきた」という調整を重ねている。桑原が「パワー(阿久井)対スピード(桑原)」と話していることには、「こっちはパワーじゃないんで。技術の勝負が一番大事」と苦笑しながらも、「圧倒したい。チャンピオンとして初めての試合。しっかり挑戦者を迎え撃って退けたい」と自信を示した。

 東京ドームには過去に1度だけ、関ジャニ∞(現SUPER EIGHT)のコンサート鑑賞で訪れたことがあり、腰を下ろしたアリーナ席で「野球選手ってここでホームランを打つんだなって感動した」という。大規模会場はエディオンアリーナ大阪で王座を獲得した前戦で初めて経験。「すごい楽しかったので、実はこういう舞台に向いていたんだなと感じた」と振り返る。さらに大きな舞台で、今度は自身が感動を与える。