ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)と、昨年に世界ウエルター級で4団体統一した40戦無敗のテレンス・クロフォード(36=米国)による「世界最強」論争が過熱している。

 多くの専門機関が選定するパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級差のない最強ランキング)で、井上が初防衛する以前はクロフォードが1位をほぼ独占し、井上は2位だった。今回ルイス・ネリを圧倒したことでモンスターの1位返り咲きも期待されている中、海外メディア「Clarin」は、PFPについて「モンスター井上尚弥と、クロフォードが純粋な論争を巻き起こす」と報じている。

 同メディアは「ルイス・ネリを6回でKOした井上の絶対的勝利は決着することのない議論を再燃させた。この大波の中で今日のベストファイターは井上と米国人のクロフォードだということは最近、ほぼ満場一致の合意である」と指摘し、2人の戦績や対戦相手などを分析。大きな決め手がない中で「日本人に汚点を見つけようとする人はPFPのライバルとなるエリートと対戦がないと主張している。それは事実だが、伝説の(元5階級制覇王者ノニト)ドネア(フィリピン)と2度も対戦した」と報道。井上に対し、好意的な評価があった。

 また、同メディアによると、井上サイドに英国での試合開催をオファーしているサウジアラビア娯楽庁のトゥルキ・アラルシク長官が「井上は偉大なボクサーだが、PFPではクロフォードがナンバーワンだ」と語ったという。