日本ハムの新庄剛志監督(52)が今月28日から始まる阪神との交流戦(甲子園)に向け、虎視眈々と牙を研いでいる。

 13日現在、首位・ソフトバンクに4・5ゲーム差の2位に付けている日本ハムはもっか3連勝中と好調をキープ。その一方で交流戦初戦は同現在、セ・リーグの首位に立つ岡田阪神と敵地甲子園で激突する。いきなり交流戦最初のカードの阪神戦で出ばなをくじかれると日本ハムは若いチームのため一気に失速する恐れもある。そこで指揮官は「事前準備」として猛虎打線や相手投手陣の情報を早くも収集。2週間も先となる強敵との一戦を今から警戒しているというのだ。

 特に気をもんでいるのが自軍先発陣。奇策として10日に育成から支配下登録した高卒3年目右腕・柳川大晟投手(20)を初戦に抜てきする案も浮上しているが、新庄監督は「まだ(決めていない)。まだですね」とけむに巻きつつも「向こうの(打線の)状態もあるんでね。左バッターがいいとか右バッターが調子いいとかで変わるケースもある」とギリギリまで相手データを見極めながら決断していく構えだ。

 ただ、柳川には191センチの長身から投げ下ろす最速157キロの直球や高速スライダーがある。その武器の威力を熟知する指揮官は「あのスライダーは近本君は詰まりそうな感じはしますよね」とニヤリ。相手打線への重圧を込めながらできる限りの対策を施すことを誓う。

 新庄監督が甲子園で指揮を執るのは監督就任1年目以来、2度目となるが古巣の本拠地での勝利は自身にとって特別な感情がある。

「甲子園100歳(100周年)でしょ。甲子園の何が素晴らしいかって僕は阪神園芸さん。阪神園芸さんたちはグラウンドの整備じゃなく試合を真剣に見てくれている。僕のフォーム(打席でバットを高く上げる独特のスタイル)は阪神園芸さんの『(体が)ちょっと丸くなっているよ。何か(背番号の)5番がしわしわになっているから真っすぐ立ったら?』というアドバイスを受けてだから」と力説。続けて「そういう思い出もあるんで。今年で(監督)最後かもしれんし。(甲子園を)かみ締めながら戦いたいと思いますよ」としみじみと話した。

 思い出の聖地で始まる交流戦を最高のスタートで飾れるのか。選手たちやファン、チーム関係者以上に新庄監督自身がその戦いを心待ちにしている。