伸びしろたっぷりだからこその「大言壮語」か。日本ハム・新庄剛志監督(52)がビッグマウスを炸裂させまくっている。好調のチームは15日の西武戦(エスコン)も12―3で爆勝。貯金7でリーグ2位と躍進し、28日から始まる交流戦の前までに「貯金10以上」とまで宣言した。単なる大風呂敷なのかと思いきや、実はそんなこともなさそうで――。

 まさに絶好調だ。この日は主砲・万波や郡司、水野の一発などで今季最多19安打の猛攻を浴びせて5連勝。14日に新庄監督にチーム状態を直接聞いた際も普段通りに「勝ち数はあまり気にしない」と話していたが、この日は「(試合は)全て勝ちたいですけど、交流戦までには(貯金を)2桁ぐらいにしたいな、とは思いますね。11か10ぐらいね」とニヤリと笑った。

 さらには「目標は高いところに置かないと達成できないので。言霊、言霊は結構ね。昔から(ビッグ)マウスぐらいに(高い目標を)言って僕はプレッシャーをかけたかったんで。自分にね」と言い聞かせるように語った。

 だが、ここにきて指揮官のビッグマウスや成績目標を上方修正したのは好調ぶりだけが理由ではない。新庄監督には「手負いの戦力」で善戦している手応えがあるからにほかならない。

 実は現在の日本ハムは、お世辞にも万全なチーム状態とは言い難い。野手ではW主砲候補だった清宮と新助っ人・レイエスが打撃不振で二軍調整中。投手陣も先発の一角を託す予定だったバーヘイゲン、守護神候補だった助っ人右腕・ザバラに至ってはいまだに一軍登板すら果たしていない。

 現有の一軍戦力も同様で、清宮と同じく中軸を期待された野村はいまだ打率1割8分で本塁打なし。昨季25本塁打をマークした万波もここ数試合こそ状態は上向きながら、開幕から本調子ではなかった。

 そんな状況下でも投手陣の踏ん張りもあり連日白星を積み上げている。ここへ不振の選手らが状態を上げてきたらチームはどうなるか。この楽しみがあるからこそ、新庄監督も強気な言葉を繰り出せるのだろう。

 リーグ首位を走るソフトバンクとは依然として3・5ゲーム差。差を埋めることは容易ではないが、若手選手らが着実に実力をつけつつある。

「このまま連勝を重ねて(貯金を)11まで持っていけたら交流戦にいい形で入れるので」。この調子ならビッグマウスが大風呂敷ではなく、現実となるのも時間の問題かもしれない。