文部科学省は、高校DX加速化推進事業(DXハイスクール)に青森県の県立高10校、私立高校2校を採択した。8日、県教育委員会が県立分を発表した。補助上限額は1校1千万円。各校が国に提出した事業計画書では養殖技術の研究(八戸水産)、農作業などの重機のシミュレーター機器導入(五所川原農林)、プロジェクションVRなどを使った「没入空間」導入(弘前第一養護)など取り組みは多岐にわたる。

 青森県の12校は青森南、青森工業、青森商業、五所川原農林、弘前、弘前工業、三沢商業、八戸水産、北斗、弘前第一養護、東奥学園、東奥義塾。

 国は高校段階でデジタルなどの成長分野を支える人材育成を強化するため全国1010校を初めて採択した。情報・数学などの教育を重視するカリキュラムを実施し、情報通信技術(ICT)を活用した文理横断的、探究的な学びを強化する学校に対し、必要な環境整備の経費を支援する。

 県教委学校教育課によると、弘前第一養護の「没入空間」導入では、例として教室にいながら人混みや買い物のレジ精算、駅の改札を通って電車に乗るまで−などさまざまな仮想体験への活用が考えられるという。

 国際的な教育プログラム「国際バカロレア」の認定校を目指している青森南では新設のグローバル探究科を中心にオンライン教育、異文化交流などに活用。青森商業では生成人工知能(AI)を活用したプログラミング開発などの取り組みが計画されている。

 同課学校デジタル化推進チームの秋庭淳チームマネージャーは「デジタル社会を支える人材の育成につながる。各学校の特色を生かすチャンスにもなる」と期待した。