鹿戸厩舎はトロヴァトーレ(上)とシュバルツクーゲルの強力2頭出し
鹿戸厩舎はトロヴァトーレ(上)とシュバルツクーゲルの強力2頭出し

弥生賞ディープインパクト記念2024

[GⅡ弥生賞ディープインパクト記念(皐月賞トライアル)=2024年3月3日(日曜)中山競馬場、芝内2000メートル]

 鹿戸厩舎は3着までにGⅠ皐月賞の優先出走権が与えられる弥生賞ディープインパクト記念に意欲の2頭出し。トロヴァトーレ、シュバルツクーゲルともに甲乙つけがたい素質馬だけに、狙うはダブルでの権利取りだ。

 1日、湿り気を含んだ美浦坂路のど真ん中を64・1ー16・0秒とゆったりと駆け上がったのはレイデオロ産駒のトロヴァトーレ。新馬戦、葉牡丹賞とも今回と同舞台を好位から連勝しており、舞台適性から有力なV候補と目されている。

 鹿戸調教師は「最終追いはリードホースを追いかける形で、時計としては予定より速くなった(美浦ウッド6ハロン79・5ー11・6秒)が、追い切り後も問題ない。きょうは坂路を15ー15くらい」と調教の過程を説明。

「2戦とも強い競馬で余裕のある勝ち方をしているし、前走は馬混みを抜け出す中身の濃い競馬だった。できれば馬場が乾いてほしいね。前走以上に状態は上がっているし、伸びしろがある。いい結果を出せばクラシックに楽しみがある」。好位からセンス抜群の競馬を見せる愛馬に期待した。

 もう一頭のシュバルツクーゲルもやはり中山芝2000メートルの新馬戦を快勝し、若駒の登竜門として定着しているGⅡ東京スポーツ杯2歳Sで2着に食い込んだ。僚馬の陰に隠れがちだが、キズナ産駒の同馬もまた番手からセンスあふれる正攻法の競馬ができる逸材だ。

 クモズレ防止のためにポリトラックで追い切ったが「追い切りはかかるくらい元気いっぱいだった。普段はおとなしい性格で落ち着いているんだけどね。中山で勝っているし、先行力が魅力。東スポ杯はきついペースの中(5ハロン通過59秒1のミドルペース)で最後まで踏ん張っている。『2着以上』に来てほしいね」という。この言葉の意味するところはもちろん、厩舎のワンツーだ。半兄のシュヴァルツリーゼは19年の弥生賞で2着しており、舞台適性については血統的な裏付けがある。

 17年の皐月賞では池江厩舎がアルアイン―ペルシアンナイトで、22年には木村厩舎がジオグリフ―イクイノックスでワンツーを記録している。今回は凱旋門賞馬の全弟シンエンペラー、4・5億円ホースのダノンエアズロックと強力メンバーが揃うが、鹿戸厩舎の2頭も素材の良さでは負けていない。ダブルで権利を取って、本番でも楽しみになるような走りを期待したい。

著者:東スポ競馬編集部