ヴィクトリアマイル2024

[GⅠヴィクトリアマイル=2024年5月12日(日曜)4歳上牝、東京競馬場・芝1600メートル]

 現代競馬における最重要ポイントは牧場=トレセンの連携。ぶっつけでのGⅠ挑戦、1か月程度のレース間でも放牧に出ることが少なくない現状では、これがうまくいくかどうかが勝敗を左右する。

 これは異常事態? 天皇賞・春に続いて先週のNHKマイルCも在厩調整馬がV(ジャンタルマンタル)。このまま在厩調整ブームが起こるのか? 当欄としては「否」と断言したい。優良な外厩とトレセンとの最高点での融合こそが現在の競馬界にとってベストの調整方法であることには変わりないとの認識だ。

海外帰りでも状態は抜群のナミュール
海外帰りでも状態は抜群のナミュール

 さて、ヴィクトリアマイルでそんな外厩の威力を見せつけるのはナミュール(牝5・高野)。この馬、ドバイからの着地検疫の関係で、栗東トレセンに戻ってきたのは先週の木曜(5月2日)。俗に言う「10日競馬」でレースに挑むことになるのだが、陣営はその不安を完全に打ち消している。

 遠征後の状態に加え、ノーザンファームしがらきでの調整がうまくいったからだろう。2日にトレセンに戻ってきた時の馬体はピカピカ光り、張りも十分保っており、その姿を写真で見た本紙競馬評論家・中村均元調教師が「好調時のナミュールそのまま」と賛辞を贈ったほどだ。

 高野調教師は「しがらきに到着した直後の姿、形が同じ海外の香港からしがらきに到着した時の形より非常に良く、いい形で到着しましたから。その後の経過も見て〝いけるな〟という判断をノーザンファームしがらきさんとさせていただきました」と話し、「(間隔が)タイトと言われていますが、馬の感触を見ていると大丈夫かなと思います」と仕上がりに自信を見せている。

【ヴィクトリアマイル 出走馬の外厩利用状況】

1枠1番ライラック
吉澤ステーブルEAST(茨城県)4月9〜17日

2枠2番フィアスプライド
ミッドウェイファーム(茨城県)3月12日〜4月11日

2枠3番スタニングローズ
ノーザンファームしがらき(滋賀県)4月5〜25日

3枠4番コンクシェル
大山ヒルズ(鳥取県)3月12日〜4月24日

3枠5番ウンブライル
ノーザンファーム天栄(福島県)4月11日〜26日

4枠6番マスクトディーヴァ
山元トレーニングセンター(宮城県)4月9〜20日

4枠7番ハーパー
ノーザンファームしがらき(滋賀県)4月3〜17日

5枠8番サウンドビバーチェ
チャンピオンヒルズ(滋賀県)2月7日〜3月9日、3月19日〜4月13日

5枠9番テンハッピーローズ
山岡トレセン(岐阜県)4月9〜18日

6枠10番ナミュール
ノーザンファームしがらき(滋賀県)4月10日〜5月2日

6枠11番ルージュリナージュ
松風馬事センター(茨城県)3月13日〜4月10日

7枠12番キタウイング
在厩調整

7枠13番モリアーナ
在厩調整

8枠14番フィールシンパシー
在厩調整

8枠15番ドゥアイズ
ノーザンファームしがらき(滋賀県)4月10〜23日

※2024年 GⅠ馬券圏内を送り込んだ外厩ランキング

【1位】ノーザンファームしがらき=1着2回、3着1回

【2位】ノーザンファーム天栄=1着1回、2着3回

【3位】チャンピオンヒルズ=1着1回、2着1回

【4位】宇治田原優駿ステーブル=2着1回、3着1回

【5位】山元トレーニングセンター=3着2回

【6位】大山ヒルズ、Tomorrow Farm=3着1回

※在厩調整=1着3回、2着2回
※外国馬=3着1回

著者:東スポ競馬編集部