テンハッピーローズ
14番人気テンハッピーローズが勝利

ヴィクトリアマイル2024

[GⅠヴィクトリアマイル=2024年5月12日(日曜)4歳上牝、東京競馬場・芝1600メートル]

【渡辺薫&柏木集保 私たちはこう見た】
 渡辺 フタを開けた途端にナミュールがポンと出遅れ。もともとゲートは完璧なタイプじゃないから想定内ではあったし、前半5ハロンが56秒8で差し馬が来ておかしくない展開だったけどな。この馬の敗因から触れると、帰厩して10日間だったせいか外見的にはいい雰囲気でもいつもの体調じゃなかったのかもしれない。

 柏木 ええ、出負けしたとはいえ展開は向きましたからね。それにしても勝ったテンハッピーローズはいくら穴党でも手を出しづらいところでした。時計がかかったとかではなくむしろ好時計。マイル戦自体が初勝利ですから。もう頭がついていきません。

 渡辺 俺もこの馬の爆走には開いた口がふさがらないよ。東京は走るといったってGⅠでこのパフォーマンス。何の不利もなく展開がはまったのもあるが、今日に限っては完勝。一世一代の大駆けだったな。

 柏木 今年のメンバーはレベルが高いと思っていましたが、GⅠ馬はナミュールとスタニングローズだけ。例年に比べるとモロいところもあったのかもしれません。荒れるパターンでしたね。

 渡辺 2着フィアスプライドはハイペースの好位からしぶとく脚を伸ばした。スムーズな競馬をしたのが1、2着馬で、まともな競馬ができなかったのが3着のマスクトディーヴァとナミュール。両極端だったな。

 柏木 2着馬はこのハイペースを先行して粘ったのですから大したもの。勝ち馬と同じ6歳で先々はともかく中身としては同等の評価ができます。マスクトディーヴァはスタートも良くて流れに乗れていたので、直線の不利が痛かったですね。

 渡辺 外からフタをされて、前の馬との間を割ろうとして完全にモレイラが腰を上げて手綱を引くシーン。勝ち馬の大駆けには負けていた可能性があるけど、2着は楽に拾えた競馬だった。

 柏木 ウンブライルは早め早めの競馬でいい位置から伸びそうで伸びず。モリアーナも凡走ではなかったですがもうひとつでした。

 渡辺 ウンブライルはこの時計ではきつい。持ち時計からも1分33秒台の決着じゃないと出番がない感じだ。モリアーナも同様に時計が厳しかった。健闘したのは4着ドゥアイズと5着ルージュリナージュ。どちらも末脚がいい馬で適性の高さが出たな。

著者:東スポ競馬編集部