三浦一族の偉業を後世に伝える「道寸祭り」が5月28日(日)、荒井浜海岸で開かれる。それに合わせ、小網代在住のアダチ・クリスティ(安達則子)さんが隊長を務める「中世三浦歴史探検隊」は、三浦道寸の筆跡で「御城印」を制作。圓照寺(三崎)が所蔵する道寸本人が書写した『古今和歌集』の文字を抜き出したもので、祭り当日に同様のデザインをあしらったTシャツと一緒に販売する。

戦国時代初期の武将で三浦氏最後の当主として知られる道寸。北条早雲との壮絶な攻防の末に落城、油壺湾に朽ち落ちたとされる悲話がある。

三浦一族を研究するアダチさんは昨秋、三浦半島を中心とした歴史の理解を深める同隊を旗揚げ。会員は約35人にまで増え、座学とフィールドワークを通して、それぞれ知識を広げている。

道寸祭りを前にアダチさんは「市民から忘れ去られようとしている新井城をもっとPRできないものか」と御城印作りを企画した。同寺に許可をもらい、前住職の稲垣英夫さんが昭和40年代に銀座で開かれた古文書の販売会で入手したという道寸肉筆の古今和歌集の文字を写真撮影。「海の城新井城」と文字を組み合わせ、三浦氏の家紋と道寸の実名が義同(よしあつ)であることを示すサイン「中大夫平朝臣義同」も加えた。

「新井城は三浦の宝。心惹かれるドラマがある」とアダチさん。稲垣さんは「道寸は優秀な武将であり、文化人であったことも知ってほしい」と木箱に入った書物を大事そうにめくった。

祭り当日、会場のブースで御城印は500円、Tシャツは2500円で販売され、収益は同隊の活動資金に充てられる。

詳細は同事務局【メール】miura.historia@gmail.com