神奈川区を拠点に活動する短歌グループ「青海波」の20周年を祝う会が5月28日、崎陽軒本店で開催された。同会は2003年に結成し、日常を口語体で詠んだ短歌を月に1回、詠み合っている。祝う会当日は、30人以上が集まり20周年の節目を祝った。

月に1度の歌会

青海波は、2003年に歌人小林峯夫氏を特別顧問に能登谷恵美子さんらが発足。小学生から90代まで幅広い世代が所属する会員は、月に一度、日常に感じたことや考えたことを口語体で詠む短歌の会を市内で実施している。会員は毎月3首詠み、その短歌を他の会員が詠唱することで歌を味わい、感想を語り合っている。

多数の会員がNHK全国短歌大会や角川短歌全国大会などで入賞、入選した。15年には、会員の小林理央さんが宮中歌会始に入選したこともあった。また、全国各地の景勝地に赴き、短歌を詠む吟行も実施。琵琶湖や箱根、浜名湖、三溪園など23カ所に赴き、短歌を詠んだ。

20周年を祝う会では、20年の歩みを年表と写真で振り返ったあと、21年に死去した小林峯夫氏の長男・小林住彦さんが峯夫氏の生涯を振り返る特別講演を行った。そして、20年間先頭に立って運営してきた能登谷さんに花束の贈呈もあった。

祝う会の中で、5月の歌会も開催。今回は1人1首ずつ詠み、詠んだ思いや感想を語り合った。主宰する能登谷さんは「短歌の会を始めたときは、世の中は文語体だったが、口語体で始めた。日常のことをそのままの言葉で詠む。それを20年続け、今も38人が楽しんでいる。役員や会員の方たちのおかげで運営を続けることができた。感謝でいっぱいです」と振り返り、喜びを話した。