公益財団法人川崎市文化財団主催の浮世絵展示「国芳×芳幾×芳年」の前期が6月3日(土)から7月9日(日)まで開催される。場所は、川崎浮世絵ギャラリー(川崎区駅前本町)。

江戸時代末期の浮世絵師・歌川国芳の代表作をはじめ、門下でライバルだった落合芳幾と月岡芳年の作品、国芳から「芳」の字を受け継いだ門人・芳艶、芳員、芳虎らの作品も公開する。展示の見どころは、師と弟子の代表作を一挙に楽しめること。また、歌川芳員『東海道五十三次内神奈川』をはじめとするユーモラスな妖怪や動物たちが登場する作品を多く展示する点も特徴的。

展示される、歌川国芳『讃岐院眷属をして為朝をすくふ図』は、曲亭馬琴の読本『椿説弓張月』を題材にしている。平時討伐へ向かう船が嵐に見舞われ、海に投げ出されてしまった昇天丸と喜平次。自害しようとする源為のもとに讃岐院の眷属である鳥天狗たちが現れて源為を救い、源為の忠臣が宿る大鰐鮫が昇天丸と喜平次を救った。横長の画面を貫くように巨大な鰐鮫を表し、讃岐院の霊が呼び寄せた異界の鳥天狗たちは、薄墨の線のみで描かれている。

来場者には先着で名刺サイズのカレンダーをプレゼントする。ギャラリーの休館日が記載されており、前期展では歌川国芳『白面笑壁のむだ書』、月岡芳年『新形三十六怪撰地獄太夫悟道の図』『月百姿朱雀門の月博雅三位』の絵柄を配布。無くなり次第終了。

担当学芸員が解説するギャラリートークも行われる。6月15日(木)、6月25日(日)、7月2日(日)の3日間限定。各回ともに午後2時から30分程度の解説で、参加費は無料。

入館料は500円で、高校生以下と障害者手帳の所持者、その介護者は1人無料で入館できる。開館時間は午前11時から午後6時30分(入館は午後6時15分まで)で、毎週月曜日は休館。月曜日が祝日の場合は翌平日が休館となる。後期展は7月15日(土)から8月20日(日)の期間で開催予定。問い合わせは、川崎浮世絵ギャラリー【電話】044-280-9511まで。