「鎌倉が好き」な人による管弦楽団「カマクラシックオーケストラ」の初公演が2月24日、鎌倉芸術館小ホールで開催された。チケットは前売りだけで完売する盛況ぶりだった。

同楽団には、小学6年生から68歳まで、プロや音大生も所属している。在住地もバラバラで、県外から参加した人も少なくない。

発起人は、長谷在住のクラシック好きな大学2年生・阿部晶太郎さん。地元を離れて暮らした時期に、鎌倉の人の温かさや街の良さを再認識した。魅力ある鎌倉は、市外のファンも多い。「在住地や学校にしばられず、鎌倉が好きな人の『お祭り』のようなオケもあっていいのでは。鎌倉をもっと盛り上げたい」と思い立ったのが2022年10月。自身の性格上、退路を断ってしまおうと23年2月には会場も押さえてしまった。

半年前は人数足りず

春には団員募集を開始。「条件は鎌倉が好き」と門戸は広いが、それでも半年前は団員が半分ほどしか集まらず、苦戦した。それだけに団員が60人集まり、地元の人・企業らの協力も得ながら、満員のホールで公演できたことに阿部さんは「まずはほっとひと安心」と喜びを語る。

公演では、指揮者を「鎌倉を愛してやまない」佐藤有斗さん、ピアノソリストは長谷在住の中本空さん、コンサートマスターは鎌倉出身の塩加井ななみさんが務めた。パンフレットには、阿部さんらの「鎌倉のお気に入り」も掲載されるなど、来場者にも鎌倉愛を存分にPR。アンコールでは、松尾崇市長の指揮で鎌倉市歌を演奏。実はこれも、阿部さんが設立前から思い描いていた企画だった。

同楽団は今後、来年3月の演奏会開催を目指す。次回メンバーの募集などは、楽団のSNSで公開予定。