緑消防団(露木健造団長/定員370人)が、3月1日時点で充足率100%を達成した。緑消防署によると、緑消防団として初めてのことだという。露木団長は「これまでの歴代の団長や、消防署の地道な声掛けがあって花が咲き実を結んだ」と語った。

地域防災の要である緑消防団の前身は、1894年(明治27)に発足した神奈川消防組。その後は川和警防団、川和消防団と名称を変え、1969年に港北区の分区に伴い緑消防団と改称された。

担い手不足が課題に

現在の緑消防団は、団本部のほか第一分団から第四分団と学生班で構成されており、火災や地震などの災害発生時に消火・救助活動の一旦を担っている。横浜市の条例で各団が管轄する地域の面積などにより定員が定められている。全国的に減少傾向が続き担い手不足が課題となっている消防団。横浜市では70歳が定年となっているほか、毎年転居などを理由とする退団者もおり団員確保が困難な状況だ。

ワースト2からV字回復

昨年4月1日時点で緑消防団の団員数は、327人で充足率は88・3%。5月には市内20団中ワースト2位の87・8%まで充足率が低下した。そこで同団は、緑消防署(寺山洋司署長)と協力し、作成したポスターを商店街に掲示するほか、地元企業などの事業所に向けて入団促進広報活動を継続的に実施した。その結果、緑郵便局や竹山団地を寮として活用する神奈川大学サッカー部などから入団者を獲得。昨年4月以降に54人が入団し、退団者を含めると43人の純増となり、初の充足率100%を達成した。

露木団長は「団と緑消防署が協力した結果だと思う。今後もこの充足率を保っていけるように努力したい」と述べ、寺山署長は「昨年署長に着任して以降、一つの大きな目標としていたので達成感がある。無理だと諦めるのではなく、段々と増やすことができて達成した。すごくうれしい。呼び掛けていけば波紋が広がり、成果が出るんだと感じた」と話した。