池田町の貞昌寺公園近くの竹やぶに自生するハチク(淡竹)の一部が開花を迎えている=右上写真。中国原産のハチクは真竹、孟宗竹とともに国内で主要な竹の種類に数えられている。開花の周期は120年と言われているが、記録が少なく詳細については不明。同様の開花は数年前から全国で観測されており、花を咲かせた後は数カ月のうちに枯れてしまうことが各地の報告で明らかになっている。

横浜市立大学で植物の遺伝学などを専門とする坂智広教授(同町在住)は、「昨年あたりに一斉に開花し、それが徐々に伝播している状態」と話す。イネ科である竹は1つの地下茎でつながっており、同じ遺伝子を持つクローンがそれぞれタケノコとして生じて成長する。

坂教授は「開花後に地下茎が生き残るか、分派した稈(かん)(茎)が子孫を残せば再び新しいタケノコが生えてくる」としている。一方、広島大学では一帯すべてが種子を作ることなく枯死したという研究結果もあり、同園奥のハチクの更新については不明な部分が多い。