相模原市は5月8日、今年4月1日時点の保育所等利用申込数が過去最多となったことを公表した。保育所等利用待機児童数は7人、保留児童数は645人。保育ニーズの高まりが顕著に表れている。

保育所等利用申込者数は1万4417人(前年比90人増)、利用申請率は52・88%(同2・55ポイント増)に上り、いずれも過去最多を記録した。少子化が進み、市内でも就学前児童数が減少しているものの、保育ニーズは高まっている。

待機児童とは、保育の必要性が認定され、利用の申込をしているにもかかわらず、入所できない状態にある児童。また保留児童は、希望する保育所などの利用が保留となった児童を指す。

市内の待機児童は、昨年より8人減少して7人となり、全員が南区。保留児童数は中央区で170人、南区で384人、緑区で83人となった。人口が集中する相模大野駅周辺の大野南地区などを有する南区が、保留児童数で全体の約6割を占めている。

保育所の申込を巡っては、育児休業給付の受け取り期間を延長しようと、「落選狙い」で入所申請を出す例が相次ぎ、全国的に社会問題となっている。対策として、厚生労働省は来年度から育児休業給付の延長審査の厳格化に乗り出す。

枠拡大へ施策

市は昨年度、保育所などの新規整備は行っていないものの、認定こども園の保育枠拡大や認可保育所から認定こども園への移行に取り組み、保育枠の定員増を図ってきた。そのような施策が奏功し、保育ニーズが増大する中でも待機児童数を抑える結果となった。

市は今年度も保育に関するさまざまな施策を実施し、保育環境を充実させていく考えだ。例えば、保育の受け皿を確保しようと、未就学児を理由を問わずに預かる「さがみはら休日一時保育事業」を今年4月に開始した。今後は南区相模大野に新たな保育施設を設置し、来年度からの同事業の実施を予定している。