今年の大河ドラマ『光る君へ』は、紫式部が主人公。主役を吉高由里子さんが務めています。今回は現代人も思わずうなずく、清少納言が「憎きもの」とした物事について紹介します。

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長々とおしゃべりする客を迷惑に思う

清少納言が執筆した随筆『枕草子』には、彼女が憎たらしいと感じたことや、物事を列挙している箇所があります。

1つ目は、急な用事があるときにかぎってやってきて、長々とおしゃべりを繰り広げる客です。

確かに、迷惑ですよね。清少納言は、気兼ねなく接しやすい客であれば「また、後で」と話の途中でも、話を遮って帰らせてしまうことができると言います。

しかし、そうではない相手の場合はどうでしょうか。例えば、身分が高く、立派な人の場合、かなり憎たらしく「迷惑至極だ」と清少納言は記します。もしかしたら、そうした経験が何度かあったのかもしれません。現代人でも「わかる、わかる」と相槌を打つ人もいるでしょう。

そして、憎たらしいことの2つ目は「硯の中に髪の毛が入っているのに、気が付かずに墨をすったとき」と記しています。清少納言はその答えを書いていませんが、墨がすりにくいし、硯から髪の毛を取るのが面倒だからでしょうか。