かつて、四国に入る方法は船しか存在しなかった。宇野から宇高連絡船を使って高松へ。また和歌山と徳島、広島と松山を結ぶ航路などが代表格だろうか。

いまでもこうした航路の多くは現存していて、乗ってみればそれなりにたくさんのお客でにぎわっているものだ。とくに瀬戸内の航路は、いまも昔も西日本の大動脈である。

高知を目指す特急「南風」

ただ、いまではほかの地域から四国に入ろうとすれば、いちばん便利なのは飛行機、または本四連絡橋ということになろう。なかでも岡山と香川を直結する瀬戸大橋は、道路交通はもとより鉄道も通る、本四連絡随一のルートになっている。

瀬戸大橋線に乗って四国に入ると、そこから先の行き先は三手に分かれる。快速「マリンライナー」ならば香川県都の高松へ。特急「しおかぜ」は瀬戸内海沿いを走って愛媛県は松山へ向かう。そしてもう1つ、険しい四国山地をまっすぐ南に抜けて高知を目指す特急「南風」がある。