売り上げを伸ばすには、多額のお金をかけなければいけないと考えている経営者や販促担当者は多数います。しかし、それ以外にも「不安対策」という方法があります。顧客の購入時の不安を軽減する作戦です。

顧客がお金を使うとき、その商品やサービスを購入して、本当に自分が期待した効果が得られるのかと不安になります。顧客が購入したいという気持ちよりも不安が大きい場合は「買わない」という選択になります。

そんな不安をなくす方法について、販促コンサルタントの岡本達彦さんの著書『不安がなくなるとモノが売れる』より一部抜粋・再構成してお届けします。

期待した効果が得られないことを恐れる心理

顧客の不安とは、次のような原因によって引き起こされます。それは、自分の大切なお金(時間なども含む)と引き換えに、期待した効果を得られるかどうかに対する不安です。

期待した効果が得られると思えば、不安は少なくなり、「買う」という行動に移りますが、期待した効果が得られないのではと思えば、どんどん不安が増大して、「買わない」という決断になってしまうのです。

例えば「実際に使う機会が少ないかもしれない」という使用頻度の低さに関する不安は、多機能のオーブンなど特に利用シーンが限られる製品や高価な商品を購入する際に生まれます。顧客は製品のコストパフォーマンスや日常生活での実用性を検討します。この不安を解消するためには、製品の多用途性を強調し、さまざまなシーンでの使用例を提示することが重要です。