そんなエジソンを見放さなかったのが、お母さんのナンシーです。元教師だったナンシーは、エジソンが学校の教師からバカされていることを知り、激怒。小学校を辞めさせています。 

家で勉強することになったエジソンは、一冊の本に夢中になりました。それは『自然・実験哲学概論』という初歩的な科学のテキストです。この本には、誰でもできそうな実験がたくさん紹介されていました。

なんと、エジソンはこの本に載っている実験を全部試してみたのです。そのために、おこづかいも全部、薬品につぎこんでしまいました。

文字だけではなく、自分の体験を通じて、科学的な知識を身につけたエジソン。やがて、こんな具体的な目標を立てて、発明に挑むようになります。

「小さな発明なら10日に1つ。大きな発明なら半年に1つ。世界中の大人も子どももほしがる、役に立つ日用品を、誰でも買える値段で提供すること」

落ちこぼれだった少年エジソンは、地道な実験を重ねることで、1300以上のアイデアを形にする「発明王」として大きく飛躍していきました。

しかしながら、せっかくのよい発明も、知ってもらわなければ、意味がありませんよね。

エジソンは宣伝もとても得意でした。電球を実用的なものに改良すると、「ニューヨーク全体を電球で明るくしてみせます!」と新聞記者に話して、大盛り上がりに。実際のところ、実験はそこまで進んでいませんでしたが、新聞はこぞって話題にしたとか。

真山知幸 歴史 『ヤバすぎる!偉人の勉強やり方図鑑』より イラスト:しまだなな

エジソンは、かつて駅で新聞を売る仕事をしていたこともあって、毎日新聞5紙を読むのを習慣していました。だから記事の取り上げられ方がよくわかっていたんですね。

エジソンの学びの言葉
「他の発明家の弱点は、ほんの1つか2つの実験でやめてしまうことだ」

新しい学問の扉を開いた牧野富太郎

勉強が大事と言われても、どこから手をつけたらいいかわからない……。そんな人におすすめなのが、「自分の好きなことを掘り下げる」。ゲームでもアイドルでもスポーツでも、なんだっていいんです。あなたが夢中になったことは、すべて学問の芽になります。

植物学者の牧野富太郎もそうでした。なんと牧野は小学校を2年生で中退しています。何も勉強が嫌いだったわけではありません。小学校に入る前にいくつも寺子屋を変えながら、習字・算術・四書五経の読み方などを、すでに習ってしまっていました。