次にヒアルロン酸はどうでしょうか? ヒアルロン酸も変形性膝関節症に対する効果があるとして販売されています。高分子ヒアルロン酸を膝関節嚢内に直接注入すると効果があることが確認されています。

しかし、ヒアルロン酸は直鎖状の多糖化合物です。小腸は食物を栄養として吸収する器官ですが、糖であれば単糖もしくは糖が2つつながった二糖類以上の大きな糖鎖は吸収することができません。ですので、ヒアルロン酸も腸から吸収されることは理論的にありません。ヒアルロン酸も消化酵素であるアミラーゼにより分解されてしまい、その分解物はやはり単糖です。とてもそのような単糖に効果を期待することはできません。

ヒアルロン酸は糖がたくさんつながった高分子の多糖であって、潤滑作用があります。つまり関節内部に注射した場合は滑膜と骨の摩擦を減らして痛みを止める働きがあります。しかし、単糖になってしまっては、残念ながら潤滑作用はなくなってしまいます。もし、潤滑作用以外の効果があるとしても、経口投与されたとしたら変形性関節症に対しては効果があるとは思えません。

次にコンドロイチン硫酸ですが、ヒアルロン酸と同じく直鎖状の多糖化合物です。こちらも同じく、大きな分子の状態では吸収されませんし、消化酵素もしくは腸内細菌の酵素により吸収されるときには分解されてしまいます。ですので、コンドロイチン硫酸も経口摂取した限り効果は期待できないわけです。

コラーゲンは体にどれくらい含まれている?

次はコラーゲンです。ここで質問ですが、皆さまはコラーゲンは体にどれくらい含まれていると思いますか? 実は、体のタンパク質の中で最も多く、全タンパク質の30%ほどもあるといわれています。タンパク質は体重の20%くらいありますから、50㎏の人だと約10㎏、その30%だからなんと3㎏もある計算になります。

そして、ここが大事なことですが、コラーゲンの構成アミノ酸は必須アミノ酸ではなく、全ての構成アミノ酸が体内で合成可能であることです。