アメリカの民間宇宙開発企業スペースXのCEOであるイーロン・マスク氏が「火星移住計画」を公言するなど、何かと話題になることが多い火星。しかし、火星以外にも研究者の間で注目を集めている惑星があります。それは太陽系の中で最も大きい惑星・木星です。木星が注目される理由、その魅力について天文学者である平松正顕氏が語ります。

※本稿は『ウソみたいな宇宙の話を大学の先生に解説してもらいました。』より、一部抜粋・再構成のうえお届けします。

火星より先に木星のまわりで生命が見つかる?

地球以外に、生命を宿す星はあるのでしょうか。人類は昔から異世界を想像してきましたし、今も多くの研究者がその謎に挑んでいます。太陽系の中では、これまで火星での生命探査が注目されてきました。

過去には豊かな水をたたえた海があったことが確実視されていて、生命が存在していた証拠を探す探査も数多く行われています。しかし、火星だけに生命の可能性があるわけではありません。近年注目を浴びているのは、木星や土星を回る氷の衛星たちです。

中でも、木星の衛星エウロパは興味深い天体です。NASAはエウロパ・クリッパーという探査機を準備中ですし、欧州宇宙機関(ESA)が打ち上げた木星の氷衛星探査機JUICEもエウロパを詳しく探査する予定です。

ここまでエウロパが注目されている理由は、氷の表面の下に海があると考えられているからです。木星の軌道の大きさは、地球の軌道の大きさの約5倍。つまり太陽から遠く、その分温度も低くなります。普通なら天体は凍り付いてしまう環境です。