松本さんが今一度認識しておかなければいけないのは、「復帰に対する是非は、訴訟の結果とは別で、スポンサーを含む世間の人々が判断する」ということ。しかも世間の人々はそのことに気づきはじめていて、松本さんの言動を冷静に見ようとしている感があります。一方で松本さん自身はそのことに気づいていないから、Xにあのような投稿をしてしまうのではないでしょうか。

ちなみにこれは週刊文春にとっても同様。「現在以上の批判を集めず、これまで同様の報道をしていく」ためには、訴訟の勝敗とは別で、世間の理解を得ていくための言動が求められているように見えます。

求められるイメージ回復と失言予防

その意味で松本さんのX投稿は悪手と感じさせられるものでしたが、これは今回だけのことではありません。松本さんは週刊文春の第一報以降、Xに次のコメントを投稿してきましたが、それぞれに気になる点がありました。

12月28日の「いつ辞めても良いと思ってたんやけど…やる気が出てきたなぁ〜。」は、上から目線であるほか、意味深で混乱を誘う言葉だった。

1月5日の「とうとう出たね。。。(LINEのスクリーンショット)」は、十分な証拠とまでは言えないにもかかわらず、人々の印象を誘導するような方法を使った。

同8日の「事実無根なので闘いまーす。それも含めワイドナショー出まーす。」は、ふざけている上に、降板した番組を私物化するような書き方だった。

同9日の「ワイドナショー出演は休業前のファンの皆さん(いないかもしれんが)へのご挨拶のため。顔見せ程度ですよ。」は、後付けの言い訳にしか聞こえないフレーズを使った。

ここ3カ月間、松本さんのXにおける投稿は、そのすべてが悪手でした。特に25日の最新投稿は代理人弁護士を通したコメントであり、だからこそこれまでより殊勝かつ切実な言葉が使われていたのでしょう。しかし、肝心な内容に疑問点が多く、かえって印象を悪化させてしまったように見えます。

それでもまだ週刊文春と週刊誌報道に対する風当たりのほうが強いだけに、松本さんには訴訟で勝つための弁護士とは別に、イメージ回復や失言予防のアドバイザーが必要ではないでしょうか。この点の対策なくして、松本さんが望む形での復帰や、週刊誌報道を変えるという目的は達成しないように見えるのです。

著者:木村 隆志