「御花畑」という変わった駅名の駅が関東にあります。しかし、その場所は市街地のど真ん中。駅名にはどういった由来があるのでしょうか。

副駅名の花の名前は関係なし!?

 秩父鉄道には、御花畑駅という変わった名の駅があります。東京に通じる西武秩父線の終点、西武秩父駅からもほど近い場所にあり、秩父の観光客にもお馴染みの駅です。

 同社のウェブサイトなどでは、「御花畑(芝桜)駅」などと副駅名つきで紹介しています。しかし現地は秩父市街のど真ん中であり、周辺に花畑など見られません。どのような由来があるのでしょうか。

 御花畑駅はもともと、第一次世界大戦後のセメント需要の増加に対応すべく、1917年に開業。観光地として有名な羊山公園「芝桜の丘」は駅から徒歩約20分の場所に位置しています。
 
 秩父鉄道は駅名の由来について、「駅近くに秩父夜祭で使用される屋台が集まる『御旅所』があり、その美称が由来となっています」(グループ観光統括部)と話します。「芝桜の丘」のアクセス駅であることは駅名の由来には関係していないものの、2009年に副駅名として「芝桜駅」が設定されています。
 
 駅は相対式の2面2線で、通常は1番線しか使用しません。2番線は西武鉄道が所有しており、西武秩父線〜秩父鉄道の直通列車(土休日運転)のみが発着します。直近では、2024年2月24日と3月2日に、2番線に入線する鉄道ファン向けの貸切列車「秩父路快速」が運転されました。
 
 駅舎は2024年1月にリニューアル工事が完成。駅が開業した大正時代をモチーフに、駅舎内外装や駅名看板がレトロ調に変更され、大きく印象が変わりました。街灯と駅名看板付きのゲートが西口に新設されたほか、改札口付近の天井の照明も洋風となり、窓がステンドグラス風の装飾となっています。
 
 3月23日(土)には、秩父市、西武鉄道、秩父鉄道の関係者が出席するリニューアル記念式典が開催されます。