北朝鮮による拉致の可能性を排除できない「特定失踪者」について、実態の調査や救出を目指す民間の団体が、18日から島根県・隠岐を訪れ、漁業関係者からの聞き取りなど現地調査を行っています。

隠岐の島町の西郷港に到着したのは、特定失踪者問題調査会のメンバーです。
全国に470人以上いるとされる「特定失踪者」、北朝鮮に拉致された可能性を排除できない人たちに関する証言を集めるなど、全国各地で調査や情報発信などを20年前から続けています。
新型コロナによる制限が緩和され、隠岐での現地調査が4年ぶりに行われました。

隠岐の島町の漁業者:
「4人乗っていた。1トン足らずの船に4人」

18日は、1988年8月に境港から1人で漁に出たまま行方不明となっている、米子市出身の特定失踪者・矢倉富康さんに関する情報を漁業関係者から聞き取り、その模様をインターネットでライブ配信しました。

この日の調査では、北朝鮮による拉致につながる情報は得られませんでしたが、住民からは、近年、隠岐の島町の沖合いで北朝鮮籍とみられる木造船が航行するのを、頻繁に見かけるといった情報が寄せられていました。

特定失踪者問題調査会 荒木和博代表:
「実際に対応された方の生の声を聞いて、切実な問題でこの地域が国境であることを実感した」

調査会のメンバーは19日は海士町を訪れ、聞き取りなどの調査を行いました。