国会で成立した、性的マイノリティへの理解を広めるための法律が、6月23日施行されました。
この法律について、どのように受け止めているのか、島根県の当事者の一人に話を聞きました。

国会で成立し、23日施行された「LGBT理解増進法」。
性的指向にかかわらず、人権を尊重し、「不当な差別はあってはならない」という
基本理念が規定されています。

佐藤みどりさん:
「身近な人に理解を求めていくことは変わらないし、法律をそこまで気にしていないというのが正直な受け止めとしてはある」

松江市に住む佐藤みどりさん。
体は女性ですが、心は男女どちらでもない、いわゆるトランスジェンダーです。

この法律に現状を変えるような効果があるとは、あまり感じていないといい、
今回の法律とは関係なく、「身近なところから理解を求めよう」と考えています。

幼少期から自分のあり方に悩み続けてきたという佐藤さん。

佐藤みどりさん:
「気づいたのは小学校の頃。スカートが嫌だったりとか、髪型をツーブロックにしたのは、性についてカミングアウトしてから」

大学卒業後は島根県警で警察官として勤務をスタート。
悩みが打ち明けられない中、いったん自分を見つめなおそうと、11年間務めた後、退職しました。

佐藤さんが本当の自分を伝えるタイミングは、2022年訪れました。

これは2022年5月に松江市であったファッションショー。
凛々しい姿でランウェイを歩く佐藤さん。
この日初めて、「本当の自分」を公に披露しました。

佐藤みどりさん:
「母には数年前に言っていたが、父からは『言ってくれてありがとう』と、応援してくれているのでありがたい」

このショーをきっかけに、「ありのままの自分」を表現する場を、今度は自分がつくろうと考えました。

佐藤さんは仲間と一緒に、2023年11月、松江市内でLGBTQの当事者や、
その支援者が、自由なファッションやメイクで街を練り歩くパレードを企画しています。

性別にかかわらず、一人一人が生きやすい社会に。
佐藤さんは身近なところから発信を続けます。