無数にある道。その通り一つ一つに歴史があり、訪れたくなる魅惑のスポットが存在する。そんな通りの隠れた魅力を散歩しながら発掘する『ふく散歩』。福島市栄町と飯坂町湯野を繋ぐ県道3号線。今回は飯坂街道沿いの「花水坂駅」から、共同浴場「波来湯」までを散策。どんな発見があるのかな?

ここは、飯坂線終着駅の一つ前の駅。『花水坂駅』。開業した当時は飯坂線の終点で「飯坂駅」と呼ばれたんです。ここ、飯坂は多くの坂が存在し、どの坂にも石柱が建てられているんだって。花水坂駅を降りて進んでみましょう。

かつて、飯坂の表玄関であった花水坂。早速石柱を発見!駅名と同じく〝花水坂“ですね。この文字、実は日本が誇るホームラン王『王貞治さん』の直筆なんです。何気ない出会いがあるなんてワクワクするな〜。

飯坂という地名なだけに、〝いい坂″がたくさんあるというわけではなく、飯坂城を築城した4代目 伊達政信のとき、飯坂氏を名乗るようになり、この地が『飯坂』と呼ばれるようになったそう。すると・・・ん?『お菓子のさわだや』?ちょっと立ち寄ってみましょう。

『パティスリーサワダ』は和菓子や創作洋菓子を提供する、地元からも愛されたスイーツ店。中に入ると、なんだか安心する空間。お店の人におすすめを聞いてみようかな。すみません、おすすめはありますか?

--店員「クルーネになります!」

お店のオリジナルスイーツで、サクッと食感のパイと優しい甘さのクリームとの相性は抜群なんです。

さらに、県道3号を進むとまたしても石柱を発見!『立綱坂』。こちらの文字はなんと、飯坂町出身で俳優の佐藤B作さんが描いた文字なんです。こんな発見があるなんて楽しくなってきちゃった!さらに進んでいきましょう。どこか懐かしい町並みが見えてきました。

ここが『飯坂温泉駅』。昭和2年に花水坂駅から延長し、現在の終点に。福島駅から飯坂線で飯坂温泉駅まではおよそ25分。駅からすぐ温泉街を観光できるなんて最高!

駅前の広場には、松尾芭蕉の銅像。芭蕉さんも温泉に浸かって旅の疲れを癒したんですね。そして隣には・・たまご!?

そう、こちらは『ラジウム玉子』。飯坂温泉では、日本で初めて確認された〝ラジウム″鉱石に由来して、温泉卵を〝ラジウム玉子″と呼ぶんです。文化継承のため、世代を超えて受け継がれてきた食文化「100年フード」にも認定。歴史を感じますね。

ここでさらに気になるものが。『十綱橋』。名前の由来は平安時代、川の両岸から10本の藤のつるを渡して、橋を作ったことによるとも言われています。現在の橋は大正時代にかけられ、現存する銅製アーチ橋の中で、最も古いと言われています。飯坂温泉街を流れる摺上川に架かる全長52mのアーチ橋で令和2年には、国登録有形文化財にも選ばれたんだって。飯坂のシンボルなんですね。

さぁて、散歩巡りの再開。と、目の前に『飯坂温泉』の文字が。気になるので、中に入ってみましょう。えっ!かわいい!等身大パネルだ!アニメのキャラクターかな?一体この女の子は?

--齋藤利香子さん(飯坂観光協会)「こちらは飯坂真尋(まひろ)ちゃんです。」

そう、真尋ちゃんは日本全国の温泉をモチーフにしたキャラクター『温泉むすめ』のひとり。こちらの観光協会には全国のファンから届いた他の温泉むすめたちも展示されています。そして真尋ちゃんグッズはこんなにも販売していますよ。

いろんな楽しみ方がある飯坂温泉。最後にゆっくり温泉でも行こうかな〜。駅から一番近いのはここかな?

源泉かけ流しの共同浴場が飯坂には9つあり、その一つが『波来湯』。開湯1200年もの長い歴史があるんだって。

飯坂温泉の特徴である熱めの温度で、これからの暑い季節は汗をかいてスッキリできますよ。実は飯坂温泉全ての共同浴場は『分湯槽(ぶんとうそう)』というものが使われています。分湯槽とは、温泉を溜める大きなタンクの事。ここで複数の源泉を混ぜ、そのお湯を各浴場へ分配するんだって。ということは、共同浴場の泉質はほとんど同じ。新たな発見ですね。

気になるので波来湯の分湯槽をのぞいてみましょうか。駐車場のすぐ隣に波来湯の『手湯』が。
さらにハナミズキが咲いた小道を歩いていくと、着いた!ここが波来湯の分湯槽。足湯もありますよ。ここでもゆっくりできますね。今回の散歩はおよそ1キロの道のり。楽しかった!今度はこの通りを散歩しようかな?

『ステップ』
福島県内にて月〜金曜日 夕方6時15分〜放送中
(2024年5月20日放送回より)